いぶりの☆星空散歩
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北斗七星

春が近づいて日の入りが遅くなってきたのを感じます。

室蘭の元旦の日没は、午後4時14分でしたが、

今月末・29日の日没は午後5時25分と、

実際に1時間以上も日が長くなっています。


131-北斗七星110A5267

▲北東の空に直立したように見える北斗七星(撮影:2017221日午後834分 登別市札内町)


日が沈んで北東の空を見上げると、7つの星の並びが見えます。

これが有名な北斗七星です。

北斗七星は星座の名前ではなく、おおぐま座の背中から

しっぽにかけて並ぶ星々です。


おおぐま座は、全天で3番目に大きな星座ですが、

北斗七星以外はあまり目立つ星がありません。

北斗七星は、日本では古くから、その名のとおり

『ナナツボシ』や、水などをくむ柄杓のような形に見えることから

『ヒシャクボシ』などと呼ばれていたようです。


柄杓の先端のα星・ドゥーベとβ星・メラクの2つの星は、

北極星を探す目印にも使われるので、指極星と呼ばれることがあります。


七つの星の真ん中のδ星・メグルスだけが少し光が弱く、3等星です。

ほかの6つの星はすべて2等星です。

2等星の数は、全天で67個とされていますが、

そのうち6個もこの北斗七星で輝いており、

春の宵の空に直立している姿はよく目立ちます。


北斗七星は、北極星を中心に大きな円を描いて、

ほぼ1日に1回ずつ回っています。

この画像には写っていませんが、

北斗七星の柄のカーブにそって線を延ばし、

春の星座・うしかい座の1等星アークトゥルス、

そしておとめ座の1等星スピカを結んでできる大きな曲線は、

『春の大曲線』と呼ばれています。

このことから、北天の星・北斗七星は1年中見ることができますが、

星座のガイドブックなどでは、春の星として紹介されることが多いです。


星図(掲載用)北斗七星


プラネタリウムのお客さんから、

北斗七星までの距離を聞かれたことがあります。

『天文年鑑』の2020年版によると、α星:120光年、β星:79光年、

γ84光年、δ星81光年、ε81光年、ζ78光年、η100光年と

地球からの距離はそれぞれ違います。

印象的な星の並びですが、一番近い星と遠い星とでは

およそ40光年以上も離れているのは驚きです。


また、北斗七星はこれまでも、『北斗』や『北斗星』など、

北海道を走る列車の愛称に使われていました。

現在札幌と函館間を走る特急スーパー北斗のヘッドマークには

七つの星が描かれています。


 ※室蘭民報 2020年2月23日掲載予定

 



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冬の大三角

あさって・2月4日は立春です。

大寒が終わり、こよみの上では春になります。

今年は暖冬と言われていますが、

実際の寒さはまだまだ続きそうです。


夜空を見上げると、冬の星座がたくさん輝いています。

全天21個の1等星のうち、室蘭から見える1等星は15個です。

そのうち、冬の星座に分類される1等星が7個もあるので、

「冬の夜空はにぎやか」と言われています。


新冬の大三角2020

            ▲冬の大三角(撮影:20201月26日午後6時37分登別市札内町)


その1等星の中で、オリオン座のベテルギウス、

おおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオン。

この三つの1等星を結んでできる三角形は、

『冬の大三角』と呼ばれています。

ほかの星座や星を見つける目印となる星の三角形は、

春や夏にもありますが、冬の大三角は、

ほぼ正三角形で一番整って見えます。


オリオン座の1等星ベテルギウスは、

一生の終わりの時期に差しかかっている赤色超巨星の段階にあり、

直径は太陽のおよそ1400倍の大きさにまで

膨らんでいると言われています。

地球からおよそ500光年の距離にあり、

表面温度は3400度と推定されています。


ベテルギウスはほぼ5年の周期で0.0等から

1.3等の間で明るさを変える変光星とされていましたが、

昨年秋ごろから1.3等よりもさらに暗く見える、

と話題になっています。


青白く輝くおおいぬ座の1等星シリウスは、

明るさがマイナス1.5等と1等星の中で一番明るい星です。

これだけ明るく見えるのは、地球からの距離が

およそ8.6光年と恒星の中では地球に近く、

大きさが太陽の2倍程度なのに、

明るさは太陽の23倍もあるためと言われています。

このシリウスの表面温度は約1万度と推定されています。


星図(掲載用)冬の大三角


白く輝くこいぬ座の1等星プロキオンの明るさは0.4等です。

ギリシャ語の「犬の前に」が語源とされ、

おおいぬ座のシリウスの少し前に東の空に昇ることから

この名がついたと言われています。

地球からの距離はおよそ11光年と、

明るい恒星の中ではシリウスとともに地球に比較的近い星です。

直径は太陽の2分の1程度ですが、明るさは太陽の6倍で、

表面温度は約6500度と推定されています。


明るい星々・冬の大三角は、

市街地からでも見つけることができます。

ベテルギウスは濃いオレンジ色、シリウスは青白く、

プロキオンは白く輝いているので、

三つの星の色を比べてみるのもおもしろいと思います。



 ※室蘭民報 2020年2月2日掲載

 



オリオン座

1年中でもっとも寒い時期になりました。

夜空を見上げると冬の星座が輝いていますが、

冬を代表する星座といえば今回紹介するオリオン座です。


129 オリオン座_E9A053
▲オリオン座(撮影:20151214日午前37分 登別市札内町)

オリオン座の中心には、3つの2等星が

ほぼ等間隔で一直線に並んでいます。

これは、日本で古くから『三つ星』と呼ばれていました。


この三つ星を囲むように、2つの1等星と2つの2等星が

四辺形をつくっています。この整った星の並びが

オリオン座の特徴で、冬の夜空でとても目立ちます。


よく見ると、三つ星の下には3つの星が

これも小さく一列に並んでいます。

この小さな星の並びは、古くから『小三つ星』と呼ばれていました。

その小三つ星の真ん中には、有名な大星雲・

M42『オリオン大星雲』がぼんやりと見えています。

オリオン大星雲は天体望遠鏡を使うと、

鳥が翼を広げているように見えます。


オリオン座で一番明るい星は、四辺形の右下で

青白く輝く1等星のリゲルです。そしてリゲルの対角線上には、

1等星のベテルギウスが濃いオレンジ色に輝いています。


星図(掲載用)オリオン座

ベテルギウスは、およそ5年の周期で、

0.0等から1.3等の間で明るさが変わる変光星ですが、

変光の周期も明るさも一定していないとされています。

また、ベテルギウスはいつ『超新星爆発』(自ら光を発する恒星が

その生命を終える時、何らかの原因で大爆発を起こし、

まるで新しい星が誕生したかのように見える現象)を

起こしてもおかしくないと言われています。


2018年には、巨大望遠鏡の『アルマ望遠鏡』で撮影した

ベテルギウスの画像を、国立天文台が公開しています。

それによると「地球から約500光年離れているベテルギウスは、

終末期の赤色超巨星の段階で、太陽のおよそ1400倍の

大きさにまでふくらんで巨大な星になっている。

星の表面の温度差が確認され、ベテルギウス内部から

高温の物質がわき上がる対流現象が起きているのではないか」

などと解説しています。


星座の名になっているオリオンは、神話に登場する巨人の狩人です。

初冬のころに、おうし座に次いで東の空に昇ってくることから、

おうし座のプレヤデス星団の美しい姉妹を追いかけている、

という神話があります。


また、別な神話では、力自慢の狩人・オリオンは、

粗暴でごう慢になったため、神々が放った毒サソリに

刺されて亡くなった、というのもあります。

それは夏の星座・さそり座が登場する同じ空には、

オリオン座が見られないことに結びつけ、

この神話がつくられたと言われています。


 ※室蘭民報 2020年1月12日掲載


部分日食

12月26日の午後、全国で太陽の一部が欠けて見える

現象が起きます。これは『部分日食』と呼ばれます。

部分日食は、今年の1月に、約3年ぶりに起きましたが、

1年に2回も国内で部分日食が見られるのはめずらしいことです。


128 星図(掲載用)部分日食


では、部分日食はどうして起きるのでしょう?

『日食』は、「日(太陽のこと)を食べる」と書きます。

だれが太陽を食べるのかというと、それは『月』です。


日食は、太陽と地球の間に、月が入り込んで太陽を隠してしまう現象で、

太陽と月と地球が一直線に並ぶ新月の時に起きます。

ただし、月の見かけの通り道は、太陽の見かけの通り道に対して、

約5度傾いているので、新月のたびに日食が起きるわけではありません。


月が太陽の一部を隠す現象を『部分日食』、

すべてを隠す現象を『皆既日食』といいます。


今回の部分日食はどのように見えるのでしょう。

室蘭では、午後2時31分ごろ、

太陽に向かって右下から少しずつ欠け始めます。

太陽がもっとも欠けて見える『食の最大』になるのが3時27分ごろで、

この時の太陽は左下が欠けて見えます。


そして欠けている部分が少しずつ小さくなり、

日食が終わる前の4時9分には日没となってしまいます。

この太陽が欠けたまま沈む現象を『日没帯食』といいます。


128 部分日食AG1I1790

▲今年1月に室蘭で見られた部分日食。(撮影:201916日午前106分 室蘭市本町)


欠ける割合(食分)は、那覇で約0.47、東京で約0.39、

そして室蘭が約0.27と、北に行くほど小さく、

また、国立天文台発表の太陽が欠ける面積比は、

室蘭で約16%と予想されています。


東日本、北日本では部分日食が終わる前に日が沈んでしまいますが、

日没の遅い西日本では部分日食の全過程を観察できます。

また、この日東南アジアやグアム島などでは金環日食となります。

次回日本で金環日食が見られるのは2030年6月1日で、

国内では北海道でだけ観察できます。


1月の部分日食が起きた日の室蘭は、

雲りがちで思うように観察できませんでしたが、

今回晴れると、少しだけ欠けた夕日が沈む様子を

観察できるかもしれません。


なお、日食を観察するときに、太陽を直接見てはいけません。

目を痛めたり失明する恐れがあるので、

必ず太陽観察用メガネなどを利用してください。


 ※室蘭民報2019年12月22日掲載

 



おうし座

今日から12月。いよいよ冬本番となり

これから寒さが厳しくなりますが、

夜空を見上げると冬の星座が輝いています。


冬の星座の先駆けとして、

すでに晩秋から東の空に登場していたのがおうし座です。


127-おうし座_E9A0531

▲未明の西の空に沈むおうし座(撮影:20151214日午前37分、登別市札内町)


おうし座には有名な星の集まりがあります。

日本では古くから『すばる』と呼ばれていたプレヤデス星団です。

この星の集まりは、およそ120個と言われる星からなる散開星団で、

肉眼でも6~7個の星を見ることができます。


おうし座のアルファ星は、赤く輝く1等星のアルデバランです。

星座絵には、アルデバランは牛の右目のあたりに描かれています。

アルデバランのそばには、『∨』字型に並ぶ星々が見えますが、

これも同じく散開星団のヒアデス星団です。


おうし座の隣で五角形に並んでいる星座は、

冬の星座・ぎょしゃ座ですが、その5つの星のうちの一つは、

おうし座のベータ星で2等星のエルナトです。

エルナトは牛の左の角の付近で輝いています。


星図(掲載用)おうし座

 

おうし座は、5~6月の一時期を除いてほぼ1年中見えるので、

おうし座の2つの星団には、日本各地に

さまざまな呼び名が伝えられています。

時計やスマホのない時代には、時刻や季節を知る手段として、

漁や農耕の目安するなど、生活に深く関わっていたようです。


ヒアデス星団の並びは、ツリガネボシやカネツキボシなど、

お寺の鐘に見立てているのがよく知られています。


そしてすばることプレヤデス星団。

すばるで思い出されるのが、清少納言の『枕草子』の

有名な一節「星は、すばる、ひこぼし・・・」です。

これについて野尻抱影氏は、清少納言が参考にしたのは、

平安時代中期に源順(みなもとのしたごう)が編纂した

『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』ではないかとし、

『昴星(すばる)』という文字が書かれている

もっとも古い文献と紹介しています。

       (『日本の星 星の方言集(中公文庫版 2005年)』)。


プレヤデス星団は、すばるのほか、スマル、ムツラボシなど

全国にさまざまな呼び名が伝わっています。

北海道に伝わる呼び名もたくさんあり、

『日本の星名辞典』(北尾浩一著・原書房 2018年)は、

スバル(古平町)、スバレ(神恵内村)、

ムヅラボシ(函館市、積丹町、泊村)、ムジナボシ(せたな町)、

ウズラボシ(八雲町熊石)などを挙げています。


アルデバランは、アラビア語で「あとに続くもの」の

意味と言われています。これは、アルデバランが

プレヤデス星団に続いて東の空に昇ってくるためで、

日本でも同じように「スバルのアトボシ」や

ムズラのアトボシ」などの呼び名が伝わっています。


 ※室蘭民報 2019年12月1日掲載

プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
室蘭市青少年科学館の天文ガイド

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