いぶりの☆星空散歩 冬の星座
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こいぬ座

先週の20日から、二十四節気の『大寒』です。

一年中でもっとも寒い時期とされていますが、

夜空を見上げると冬の星座がたくさん輝いています。


全天21個の1等星のうち、室蘭から見える1等星は15個です。

そのうち、冬の星座に分類される1等星が7個もあるので、

「冬の夜空はにぎやか」と言われています。


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▲こいぬ座と冬の大三角(撮影:2020126日午後643分 登別市札内町)


その冬の星座のうち、オリオン座のベテルギウス、

おおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオン。

この三つの1等星を結んでできる三角形は、

『冬の大三角』と呼ばれています。


ほかの星座や星を見つける目印となる星の三角形は、

春や夏にもありますが、冬の大三角は、

図のとおりほぼ正三角形で一番整って見えます。


三角形を形作る3つの星をすべて言える方は、

かなりの天文通だと思います。シリウスやベテルギウスを

知っている方は多いですが、

プロキオンまで当てられる方はなかなかいません。


今回紹介するこいぬ座は、冬の大三角の中では一番小さな星座です。

1等星のプロキオンと3等星のゴメイサの2つしか明るい星はありません。

小さい星座ですが、2世紀の天文学者・プトレマイオスが定めた

48星座に数えられる歴史ある星座です。


白く輝くこいぬ座の1等星プロキオンの明るさはおよそ0.4等です。

ギリシャ語の『犬の前に』が語源とされ、

おおいぬ座のシリウスの少し前に東の空に昇ることから、

この名がついたと言われています。


星図(掲載用)こいぬ座


地球からの距離はおよそ11光年と、明るい恒星の中では

シリウスとともに地球に比較的近い星です。

明るさは太陽の約6倍で、直径は太陽の2倍を超えると言われ、

表面温度はおよそ6500度と推定されています


3等星のゴメイサは、アラビア語で『うるむ目』や『涙ぐむもの』の意味で、

光の印象からそう名付けられたのではないかと言われています。


このプロキオン。日本では、

『シロボシ』という呼び名が各地に伝わっています。

これは青白く輝くシリウスをアオボシと呼ぶ地方が多いため、

アオボシに対してそう呼ばれていると思われます。



 ※室蘭民報 2021年1月24日掲載予定

 


ぎょしゃ座

立冬が過ぎ、日に日に寒くなっていく今日このごろですが、

夜空にはすでに冬の星座が登場しています。


空が暗くなって、まず北東の空に見えてくる冬の星座が、

今回紹介する『ぎょしゃ座』です。

次いでぎょしゃ座の西側には『おうし座』も見えてきます。

この2つの冬の星座は、9月の下旬になると宵の空に登場しています。


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 ▲カムイヌプリ上空で輝くぎょしゃ座とおうし座(撮影:20191124日午後613分 室蘭市香川町)


ぎょしゃ座は、5つの星が将棋の駒のような五角形に

並んでいるのが特徴で、この星の並びには、『イツツボシ』や

『ゴカクボシ』などの呼び名が日本の各地に残されています。


なお、正確には、5つの星のうち右下に見えるエルナトは、

となりのおうし座の2等星です。


ぎょしゃ座で一番明るい星は、1等星のカペラです。

黄色みを帯びたこの星は、1等星の中では一番北寄りに位置しており、

全天で21個ある1等星の中で6番目、

北天では4番目に明るく、よく目立ちます。


室蘭では夏の一時期カペラを観察できなくなりますが、

北緯44度よりも北の北海道北部では、

地平線に沈むことのない周極星として一年中見ることができます。


カペラはラテン語で『小さなメスやぎ』を意味し、

星座絵には小さなヤギを抱いた老人の姿が描かれています。


星図(掲載用)『ぎょしゃ座』


ぎょしゃ座の五角形の中にはたくさんの連星や星団があります。

実はカペラも連星で、19世紀から20世紀にかけて、

アメリカのリック天文台をはじめ、各国の天文台などが観測した結果、

今では2つの恒星からなる連星が、

2組ある『四重連星(しじゅうれんせい)』であると言われています。


カペラには、『すばる』の名で有名な、おうし座の

プレアデス星団とほぼ並んで見えるので、

日本には『スマルノアイテボシ』など、プレアデス星団と対比する

和名が各地に伝わっています。


道内には、後志地方の積丹町に、サキボシやウヅラノサキボシ

(ウヅラはプレアデス星団のこと)という呼び名が伝えられている

と『日本の星名辞典』(北尾浩一著・原書房2018年)で紹介しています。


御者(ぎょしゃ)とは、馬車の前部に乗って馬を操り、

馬車を走らせる人のことを言います。

年配の方なら知っていることですが、実際に馬車を見たことがない

子どもたちのために、室蘭市青少年科学館のプラネタリウムでは、

数年前からぎょしゃ座を紹介する際には

「御者とは・・・」と解説につけ加えています。



 ※室蘭民報 2020年11月15日掲載

 


冬の大三角

あさって・2月4日は立春です。

大寒が終わり、こよみの上では春になります。

今年は暖冬と言われていますが、

実際の寒さはまだまだ続きそうです。


夜空を見上げると、冬の星座がたくさん輝いています。

全天21個の1等星のうち、室蘭から見える1等星は15個です。

そのうち、冬の星座に分類される1等星が7個もあるので、

「冬の夜空はにぎやか」と言われています。

130-2(新)冬の大三角シャドウ110A9600

            ▲冬の大三角(撮影:20201月26日午後6時37分登別市札内町)


その1等星の中で、オリオン座のベテルギウス、

おおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオン。

この三つの1等星を結んでできる三角形は、

『冬の大三角』と呼ばれています。

ほかの星座や星を見つける目印となる星の三角形は、

春や夏にもありますが、冬の大三角は、

ほぼ正三角形で一番整って見えます。


オリオン座の1等星ベテルギウスは、

一生の終わりの時期に差しかかっている赤色超巨星の段階にあり、

直径は太陽のおよそ1400倍の大きさにまで

膨らんでいると言われています。

地球からおよそ500光年の距離にあり、

表面温度は3400度と推定されています。


ベテルギウスはほぼ5年の周期で0.0等から

1.3等の間で明るさを変える変光星とされていましたが、

昨年秋ごろから1.3等よりもさらに暗く見える、

と話題になっています。


青白く輝くおおいぬ座の1等星シリウスは、

明るさがマイナス1.5等と1等星の中で一番明るい星です。

これだけ明るく見えるのは、地球からの距離が

およそ8.6光年と恒星の中では地球に近く、

大きさが太陽の2倍程度なのに、

明るさは太陽の23倍もあるためと言われています。

このシリウスの表面温度は約1万度と推定されています。


星図(掲載用)冬の大三角


白く輝くこいぬ座の1等星プロキオンの明るさは0.4等です。

ギリシャ語の「犬の前に」が語源とされ、

おおいぬ座のシリウスの少し前に東の空に昇ることから

この名がついたと言われています。

地球からの距離はおよそ11光年と、

明るい恒星の中ではシリウスとともに地球に比較的近い星です。

直径は太陽の2倍ほど、明るさは太陽のおよそ6倍で、

表面温度は約6500度と推定されています。


明るい星々・冬の大三角は、

市街地からでも見つけることができます。

ベテルギウスは濃いオレンジ色、シリウスは青白く、

プロキオンは白く輝いているので、

三つの星の色を比べてみるのもおもしろいと思います。



 ※室蘭民報 2020年2月2日掲載

 



オリオン座

1年中でもっとも寒い時期になりました。

夜空を見上げると冬の星座が輝いていますが、

冬を代表する星座といえば今回紹介するオリオン座です。


129 オリオン座(シャドウ)_E9A053
▲オリオン座(撮影:20151214日午前37分 登別市札内町)

オリオン座の中心には、3つの2等星が

ほぼ等間隔で一直線に並んでいます。

これは、日本で古くから『三つ星』と呼ばれていました。


この三つ星を囲むように、2つの1等星と2つの2等星が

四辺形をつくっています。この整った星の並びが

オリオン座の特徴で、冬の夜空でとても目立ちます。


よく見ると、三つ星の下には3つの星が

これも小さく一列に並んでいます。

この小さな星の並びは、古くから『小三つ星』と呼ばれていました。

その小三つ星の真ん中には、有名な大星雲・

M42『オリオン大星雲』がぼんやりと見えています。

オリオン大星雲は天体望遠鏡を使うと、

鳥が翼を広げているように見えます。


オリオン座で一番明るい星は、四辺形の右下で

青白く輝く1等星のリゲルです。そしてリゲルの対角線上には、

1等星のベテルギウスが濃いオレンジ色に輝いています。


星図(掲載用)オリオン座

ベテルギウスは、およそ5年の周期で、

0.0等から1.3等の間で明るさが変わる変光星ですが、

変光の周期も明るさも一定していないとされています。

また、ベテルギウスはいつ『超新星爆発』(自ら光を発する恒星が

その生命を終える時、何らかの原因で大爆発を起こし、

まるで新しい星が誕生したかのように見える現象)を

起こしてもおかしくないと言われています。


2018年には、巨大望遠鏡の『アルマ望遠鏡』で撮影した

ベテルギウスの画像を、国立天文台が公開しています。

それによると「地球から約500光年離れているベテルギウスは、

終末期の赤色超巨星の段階で、太陽のおよそ1400倍の

大きさにまでふくらんで巨大な星になっている。

星の表面の温度差が確認され、ベテルギウス内部から

高温の物質がわき上がる対流現象が起きているのではないか」

などと解説しています。


星座の名になっているオリオンは、神話に登場する巨人の狩人です。

初冬のころに、おうし座に次いで東の空に昇ってくることから、

おうし座のプレヤデス星団の美しい姉妹を追いかけている、

という神話があります。


また、別な神話では、力自慢の狩人・オリオンは、

粗暴でごう慢になったため、神々が放った毒サソリに

刺されて亡くなった、というのもあります。

それは夏の星座・さそり座が登場する同じ空には、

オリオン座が見られないことに結びつけ、

この神話がつくられたと言われています。


 ※室蘭民報 2020年1月12日掲載


おうし座

今日から12月。いよいよ冬本番となり

これから寒さが厳しくなりますが、

夜空を見上げると冬の星座が輝いています。


冬の星座の先駆けとして、

すでに晩秋から東の空に登場していたのがおうし座です。


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▲未明の西の空に沈むおうし座(撮影:20151214日午前37分、登別市札内町)


おうし座には有名な星の集まりがあります。

日本では古くから『すばる』と呼ばれていたプレヤデス星団です。

この星の集まりは、およそ120個と言われる星からなる散開星団で、

肉眼でも6~7個の星を見ることができます。


おうし座のアルファ星は、赤く輝く1等星のアルデバランです。

星座絵には、アルデバランは牛の右目のあたりに描かれています。

アルデバランのそばには、『∨』字型に並ぶ星々が見えますが、

これも同じく散開星団のヒアデス星団です。


おうし座の隣で五角形に並んでいる星座は、

冬の星座・ぎょしゃ座ですが、その5つの星のうちの一つは、

おうし座のベータ星で2等星のエルナトです。

エルナトは牛の左の角の付近で輝いています。


星図(掲載用)おうし座

 

おうし座は、5~6月の一時期を除いてほぼ1年中見えるので、

おうし座の2つの星団には、日本各地に

さまざまな呼び名が伝えられています。

時計やスマホのない時代には、時刻や季節を知る手段として、

漁や農耕の目安するなど、生活に深く関わっていたようです。


ヒアデス星団の並びは、ツリガネボシやカネツキボシなど、

お寺の鐘に見立てているのがよく知られています。


そしてすばることプレヤデス星団。

すばるで思い出されるのが、清少納言の『枕草子』の

有名な一節「星は、すばる、ひこぼし・・・」です。

これについて野尻抱影氏は、清少納言が参考にしたのは、

平安時代中期に源順(みなもとのしたごう)が編纂した

『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』ではないかとし、

『昴星(すばる)』という文字が書かれている

もっとも古い文献と紹介しています。

       (『日本の星 星の方言集(中公文庫版 2005年)』)。


プレヤデス星団は、すばるのほか、スマル、ムツラボシなど

全国にさまざまな呼び名が伝わっています。

北海道に伝わる呼び名もたくさんあり、

『日本の星名辞典』(北尾浩一著・原書房 2018年)は、

スバル(古平町)、スバレ(神恵内村)、

ムヅラボシ(函館市、積丹町、泊村)、ムジナボシ(せたな町)、

ウズラボシ(八雲町熊石)などを挙げています。


アルデバランは、アラビア語で「あとに続くもの」の

意味と言われています。これは、アルデバランが

プレヤデス星団に続いて東の空に昇ってくるためで、

日本でも同じように「スバルのアトボシ」や

ムズラのアトボシ」などの呼び名が伝わっています。


 ※室蘭民報 2019年12月1日掲載

プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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