おうし座と羽子板星
1月5日の小寒を過ぎて、一年中で最も寒い季節になりました。
(おうし座)
牡牛の肩先付近に位置するホタルの群れのような
星の集まりが散開星団『プレアデス星団』で、
日本では『すばる』という名で知られています。
清少納言が枕草子で「星はすばる」と絶賛しているのが有名です。
中国では『 昴 ( ぼう ) 』と呼ばれるすばるですが、
日本では、集まって一つになるという意味から「 統 ( す ) ばる」、
肉眼で6つの星が見えることから『 六 連星 ( むつらぼし ) 』などと呼ばれていました。
また、星が並んだ形を正月の羽子板にみたてて
『 羽子板星 (はごいた ぼし ) 』と呼んでいた地方があります。
すばることプレアデス星団までの距離は410光年です。
ということは、徳川家康が江戸に幕府を開いたころに
この星団を出た光が、今私たちの目に届いていることになります。
その後ふたご座の位置に移ります。
木星が再びおうし座付近で見られるのは12年後になります。
☆室蘭民報 2013年1月20日(日)朝刊掲載
第4回 師走の流星群


↑(画像:昭和新山とふたご座)壮瞥町
三大流星群をご存知ですか。1月の『しぶんぎ座流星群』、
8月の『ペルセウス座流星群』、そして12月の『ふたご座流星群』。
数ある流星群の中でも毎年安定した活動で出現数が多い流星群を
特に『三大流星群』と呼んでいます。
その中でも『ふたご座流星群』は、流星群の活動度が高く、
一年のうちで夜が長い時期にあたり、また季節が冬で大気の透明度が良いことから、
肉眼で見える流星の数が多いことで知られています。
このふたご座流星群の歴史は浅く、1862年にイギリスのグレッグが
最初に観測したと言われています。当時の出現数は
1時間に10程度とさほど多くなかったのですが、年とともに増加し、
近年では一時間当たり70から100程度の観測記録があります。
『極大』とは流星群が活動する期間中最も多く流星が現れることをいいますが、
今年のふたご座流星群は12月14日の8時ころに極大を迎え、
その前後2日間は最も活発に活動する流星を見ることができそうです。
放射点はふたご座カストルのすぐそばで、日没後東天に昇り、
夜半ころにほぼ天頂付近を通過して日の出と同時に西没するので
一晩中流星を観察できます。観察にお勧めの時間帯は、
①12月13日深夜~14日明け方
②14日の20時~22時頃
最も多い時間帯には一時間に30個以上の流星が見られるかもしれません。
月明かりは流星観察の妨げになってしまいますが、
今年は12月13日が新月のため月明かりの影響を受けません。
次回このような好条件で観察できるのは3年後の2015年と言われています。
何かと気ぜわしい師走ですが、夜空を見上げてぜひ流れ星を見つけてください。
(※ 左上のサムネイルをクリックすると星座図で確認できます)
☆室蘭民報 2012年12月9日(日)朝刊掲載