こいぬ座と冬の大三角
立春を過ぎ暦の上では春になりました。
春とは名のみでまだまだ寒い日が続きそうですが、
この時期は冬の星座が見ごろです。
冬の星座として知られるオリオン座のベテルギウス、
おおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオン。
この3つの一等星を線で結ぶと大きな三角形ができます。
これを冬の大三角と呼び、古くからほかの星座などを
探すときの目印にされてきました。
宵の南東の空に見える冬の大三角。
三角形の三つの星のうち左の星がこいぬ座のプロキオンです。
(登別市札内町)
冬の大三角を構成するこいぬ座は、オリオン座を流れる冬の天の川の東岸に位置し、
一等星のプロキオンと三等星のゴメイサで小犬の姿を描いている小さな星座です。
小さいために、かつては星座とは認識されなかったのが、
狩人でもある勇者オリオン(オリオン座)の2番目の猟犬として、
古代ローマ時代に星座として認識されたと伝えられています。
プロキオンは『犬のさきがけ』という意味で、『ドッグ・スター』とも呼ばれる
シリウスより早く東の空に昇り、シリウスの登場を知らせてくれることから、
その名がつきました。
日本では『小さい大星』という呼び名がありますが、
これは大きい大星・シリウスに対してつけられたと思われます。
星空の大三角は、冬のほかに春と夏にもありますが、
冬の大三角が一番形が整っています。
今の時期の室蘭は、日が沈み空が暗くなり始めるころ、
冬の大三角が南東の空に昇っています。
ぜひ冬の一等星がつくり出す三角形の輝きを見つけてください。
室蘭民報 平成25年2月17日朝刊掲載
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