織り姫星
今日から1週間後の7月7日は七夕です。
七夕には、笹飾りに願いごとを書いた短冊を軒先に飾る風習が各地に残っています。
そして、七夕といえば織り姫星と彦星の伝説が有名です。
天の川のほとりで青白く輝く星で、21ある1等星の中で5番目に明るく、
『夜空のアーク灯』や『夏の夜の女王』などと呼ばれることがあります。
▲こと座のベガと夏の大三角(撮影:2013年5月31日21:24洞爺湖町月浦)
こと座は小さな星座で、ベガのすぐ下の小さな平行四辺形が西洋のたて琴の姿を表わしており、
英語で『ハープ・スター』などと表現されています。
また、北寄りに位置している星座で、ノルウェーやスウェーデンなどの北欧では、
ベガは周極星として一年中北の空に見えているそうですが、
地球の歳差運動によりおよそ12,000年後には、天の北極付近まで移動する、
と推算されています。
ベガは、中国では『織女(機織り娘)』、日本では『おりひめ』のほか、
『たなばたつ女』、『めんたなばた』、『織り子星』などと呼ばれていました。
また、彦星よりも先に昇ってくることから『さきたなばた』と呼ぶ地方もあります。
ベガと天の川をはさんで輝く『彦星』ことわし座の1等星・アルタイル、
そして天の川に羽を広げるはくちょう座の1等星・デネブの3個の1等星を結んで
できる三角形『夏の大三角』は、星座探しのよい目印になります。
なお、室蘭市青少年科学館では7月7日(日)まで、短冊と笹竹を用意しています。
ぜひ来館して、みなさんの願いごとを書いて飾ってみてください。
※室蘭民報 6月30日掲載
ぜひ来館して、みなさんの願いごとを書いて飾ってみてください。
※室蘭民報 6月30日掲載
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天の川とはくちょう座
夏の夜空を見上げると、南から北に横切る雲のような
弱い光の帯を見ることができます。これが七夕で有名な『天の川』です。
この天の川を大きな羽を広げて飛ぶ姿の星座がはくちょう座です。
はくちょう座の目じるしは明るい五つの星でつくる十字形で、
南天の『南十字』に対して、この十字形は『北十字』と呼ばれることがあります。
白鳥の尾付近で輝く一等星『デネブ』は、アラビア語の『尾』を意味する言葉に由来し、
「もうここらは白鳥区のおしまいです。ごらんなさい。あれが名高いアルビレオの観測所です」。
宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』の有名な一節です。賢治はこの二重星の色を
「・・・ 眼(め)も 覚めるような、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパース)も
大きな二つのすきとおった球・・・」(ルビは原文のまま)と表現しています。
※室蘭民報朝刊 2013年6月16日 掲載
弱い光の帯を見ることができます。これが七夕で有名な『天の川』です。
私たちが住んでいる地球は太陽系に属しています。
そしてその太陽系は銀河系に属しています。
この銀河系には2000億個以上もの星々が存在するといわれています。
大きな星から小さな星まで、また、明るく輝く星から
天体望遠鏡を使わないと見えない暗い星までさまざまです。
この無数の星々の光が折り重なって雲のように見えるのが天の川。
つまり天の川とは地球から見た銀河系の星々のことです。
カムイヌプリ上空に見えるはくちょう座(撮影:2013年5月30日21時6分室蘭市だんパラスキー場)
天の川は、夏でも冬でも見ることができますが、夏の天の川は冬よりも明るく見えるため、
夏から秋にかけてが天の川を見つけるには適期といえます。
はくちょう座の目じるしは明るい五つの星でつくる十字形で、
南天の『南十字』に対して、この十字形は『北十字』と呼ばれることがあります。
天の川とはくちょう座
白鳥の尾付近で輝く一等星『デネブ』は、アラビア語の『尾』を意味する言葉に由来し、
地球からの距離は約1,500~2,500光年と推測されるはるか遠くにある星です。
その大きさは、太陽の直径の200倍以上、明るさは太陽の65,000倍以上と
いわれるほど明るく大きな星です。
白鳥のくちばし付近の星は『アルビレオ』。肉眼では一つの星にしか見えませんが、
望遠鏡で見ると黄色と青の二つの星が寄り添った、二重星であることがわかります
宮沢賢治作『銀河鉄道の夜』の有名な一節です。賢治はこの二重星の色を
「・・・ 眼(め)も 覚めるような、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパース)も
大きな二つのすきとおった球・・・」(ルビは原文のまま)と表現しています。
そんなことなどを思い浮かべながら、夏の銀河をはばたくはくちょう座をぜひ見つけてください。