伝統的七夕の日
7月7日は七夕でしたが、今年はめずらしく晴天に恵まれ、
星々や天の川を見ることができました。
しかし、例年この時期の胆振地方は、曇りや霧の日が多く、
また本州ではちょうど梅雨の時期にあたり、
星空の観察には適しているとはいえません。
また、七夕の星・織り姫星と彦星は、日没後はまだ東の空の低い位置にあり、
夜の空高く昇ってくるのを待っていると夜半過ぎになってしまいます。
この伝統的七夕の日とは、「二十四節気の処暑に最も近い 朔 ( さく )
この時期は夏休みやお盆休みの時期にあたり休みの方も多いと思います。
ぜひ夜空を見上げて天の川や流星を探してみてください。
※室蘭民報 2013年7月28日朝刊 掲載
星々や天の川を見ることができました。
しかし、例年この時期の胆振地方は、曇りや霧の日が多く、
また本州ではちょうど梅雨の時期にあたり、
星空の観察には適しているとはいえません。
また、七夕の星・織り姫星と彦星は、日没後はまだ東の空の低い位置にあり、
夜の空高く昇ってくるのを待っていると夜半過ぎになってしまいます。
もともと七夕は、中国からの伝来といわれていますが、
その中国では太陰太陽暦の7月7日に
伝統的祭日『七夕節』として祝っています。
また日本では、奈良時代の宮中行事として始まったとされ、
その後江戸時代には庶民に定着して、明治の改暦まで中国と同様に
太陰太陽暦の7月7日に七夕の行事が行われていました。
噴火湾に浮かぶ天の川(撮影:2013年7月12日0:09 室蘭市チャラツナイ展望台)
いわゆる『旧暦』とも呼ばれる太陰太陽暦の7月7日のころは、
比較的空気が澄んで晴天率も高く、また、
明るい上弦の月は午後10時ころには西に沈み、
月と星空、そして天の川を楽しむことができます。
そこで国立天文台は、本来の七夕の日にあたる
太陰太陽暦の7月7日を『伝統的七夕の日』とし、
星空に注目しようと2001年から広報しています。
伝統的七夕ライトダウン2013キャンペーンのポスター
この伝統的七夕の日とは、「二十四節気の処暑に最も近い 朔 ( さく )
の日(新月の日)から数えて7日目と定義され、
今年は8月13日(火)となります。今年は、ペルセウス座流星群とあわせて星空を楽しむことができることから、
国立天文台や宇宙航空研究開発機構などが共催する
『伝統的七夕ライトダウン2013推進委員会』は、
8月12日と13日の両日を「星に願う2日間」というキャンペーンを展開し、
ライトダウンを呼びかけています。
ぜひ夜空を見上げて天の川や流星を探してみてください。
※室蘭民報 2013年7月28日朝刊 掲載
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夏の星座・さそり座
胆振地方の星空や天体現象を紹介する本欄『いぶりの星空散歩』。
毎回西胆振で撮影した星座などの画像を紹介しています。
それは、教科書や雑誌などに載っている星座や天体現象が、
私たちの住む胆振地域で実際に観察できることをお知らせしたいからです。
胆振地方の西部・豊浦町大岸から礼文華にかけての美しい海岸線には、
夏になるとキャンプを楽しむたくさんの人々が訪れ、
色とりどりのテントが並びます。
実はこのエリアは、星空観察にも適した場所で、
夜になるとさまざまな星座や天の川そして流れ星を見つけることができます。
今回掲載の画像は、豊浦町礼文華で撮影した夏の星座・さそり座です。
さそり座は、夏の明るい天の川の光が、南の地平線の近くで
ひときわ濃く幅広くなるあたりに、明るい星々が大きなS字の形に
ゆるやかにカーブを描く星座です。
海辺でさそり座を見ると、このS字カーブが大きな釣り針に見えることから、
日本では古くから『 魚釣り星 や『鯛釣り星』などと呼ばれてきました。
さそり座で一番の目立つのは、赤く輝く一等星アンタレスです。
アンタレスは「火星に対抗するもの」や「火星の敵」という意味の
「アンチ・アーレス」からきているもので、
時期によっては火星がこのアンタレス付近に移動し、
赤さを競い合うことから名づけられたものと思われます。
日本では『赤星』や『酒酔い星』などの呼び名が残っています。
一方、ギリシャ神話では、さそり座は力自慢を鼻にかける
狩人・オリオンを刺殺した毒虫とされ、このためこの二つの星座は
同じ星空に姿を見せることのないライバル関係にあるといわれています。
毎回西胆振で撮影した星座などの画像を紹介しています。
それは、教科書や雑誌などに載っている星座や天体現象が、
私たちの住む胆振地域で実際に観察できることをお知らせしたいからです。
胆振地方の西部・豊浦町大岸から礼文華にかけての美しい海岸線には、
夏になるとキャンプを楽しむたくさんの人々が訪れ、
色とりどりのテントが並びます。
実はこのエリアは、星空観察にも適した場所で、
夜になるとさまざまな星座や天の川そして流れ星を見つけることができます。
今回掲載の画像は、豊浦町礼文華で撮影した夏の星座・さそり座です。
さそり座は、夏の明るい天の川の光が、南の地平線の近くで
ひときわ濃く幅広くなるあたりに、明るい星々が大きなS字の形に
ゆるやかにカーブを描く星座です。
海辺でさそり座を見ると、このS字カーブが大きな釣り針に見えることから、
日本では古くから『 魚釣り星 や『鯛釣り星』などと呼ばれてきました。
さそり座で一番の目立つのは、赤く輝く一等星アンタレスです。
アンタレスは「火星に対抗するもの」や「火星の敵」という意味の
「アンチ・アーレス」からきているもので、
時期によっては火星がこのアンタレス付近に移動し、
赤さを競い合うことから名づけられたものと思われます。
日本では『赤星』や『酒酔い星』などの呼び名が残っています。
星図:さそり座と周辺の星座
一方、ギリシャ神話では、さそり座は力自慢を鼻にかける
狩人・オリオンを刺殺した毒虫とされ、このためこの二つの星座は
同じ星空に姿を見せることのないライバル関係にあるといわれています。
さて、まもなく楽しい夏休みが始まります。
海や山へ出かける機会が多くなるこの時期に、ぜひ夜空を見上げて、
夏の星座・さそり座を見つけてください。
※室蘭民報 2013年7月14日掲載