いぶりの☆星空散歩 2014年03月
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12年に一度の大十字

夜空に輝く星々を線で結び、いろいろな形につなげて
昔の人々は神話や伝説などを作りました。
星々の結び方は三角形や四角形、十字形などさまざまです。

十字型の星座といえば、南と北の十字星が有名です。
『南十字星』は、日本では沖縄や小笠原諸島以南でしか見ることができませんが、
『北十字星』とも呼ばれるはくちょう座は、北海道ではほぼ一年中見ることができます。


※12年に一度の大十字(撮影:2014年3月2日20時14分、洞爺湖町)

はくちょう座のデネブ、わし座のアルタイル、
そしてこと座のベガを結ぶ三角形は『夏の大三角』と呼ばれます。
冬になると、わし座は日暮れとともに沈んでしまいますが、
はくちょう座は、クリスマスのころの午後6時から8時にかけて
十字の形を西の空に直立させます。
電気のなかった中世から近世にかけて、この北十字星が
クリスマスに大きな役割を果たしていたものと思われます。

さて、今年の春は、宵の夜空に別な十字形を見ることができます
。『冬の大三角』といえば、オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、
そしておおいぬ座のシリウスを結んでできる三角形です。

その冬の大三角は、正月のころにはやや右に傾いた正三角形のような形で昇ってきましたが、
3月になるとシリウスを真下にした逆三角形で姿を現します。
そのシリウスの対角線上のふたご座に、
『真夜中の明星』と呼ばれる明るい木星が輝いているので、
冬の大三角と合わせるとひし形になり、ちょうど大きな十字形に見ることができます。



※冬の大三角と木星

太陽系の惑星・木星は、約12年かけて太陽の周りを一周します。

現在はふたご座の位置に見えていますが、今年の7月中旬からはかに座、
そして10月中旬にはしし座の方向へと移動します。

木星と冬の大三角が大きな十字形に見える星の並び。
同じように見えるようになるのは、
木星が再びふたご座にやってくる12年後の2026年3月です。

この十字形がバランスよく見えるのは3月いっぱいと言われています。
ぜひ春の夜空で『12年に一度の大十字』を見つけてください。

☆室蘭民報 2014年3月23日朝刊掲載 


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国際宇宙ステーションを見よう

昨年11月から、国際宇宙ステーション(International SpaceStation、以下ISS)に、
長期滞在中の日本人宇宙飛行士・ 若田光一さん。
今日3月9日から、日本人初のコマンダー(船長)を務めます。

ISSは、地上から約400km上空に建設された巨大な有人実験施設で、
サッカー場が収まるほどの大きさと言われています。
その運用は、アメリカや日本をはじめカナダ、ヨーロッパ諸国(イギリス、フランス、ドイツ、
イタリア、スイス、スペイン、オランダ、ベルギー、デンマーク、ノルウェー、スウェーデン)、
ロシアの計15ヶ国が協力して行っています。
そのため、ISSは、世界の宇宙開発を大きく前進させるための重要な施設であると同時に、
国際協力と平和のシンボルと言われています。

ISSは、各国がそれぞれに開発したパーツで成り立っています。
基本的には各パーツを担当の国が運用し、全体のとりまとめをアメリカが行っています。
日本は実験棟『きぼう』を運用しています。
ISSへの物資の補給は、アメリカやロシアをはじめ日本の宇宙ステーション補給機
『こうのとり』もその役割を果たしています。

ISSに長期滞在しているクルーは、ISSの保守作業や宇宙環境での科学実験、
地球や天体の観測など行っています。
2009年から、若田、野口、古川、星出の各日本人宇宙飛行士が
長期滞在クルーを務めており、若田さんは、2度目の長期滞在になります。


※登別市来馬岳上空を通過するISS(撮影:2014年2月20日18時 13分33秒~18時16分19秒)

その若田さんが乗務中のISSを地上から見ることができます。
ISSは、
1周約90分という速さで地球の周りを回っており、
ISS自体は発光しませんが、太陽光を反射する時間帯の日没後約2時間と
日の出前の約2時間がよく見える時間帯です。
もっとも明るく見えるときは、一等星よりも明るいマイナス2等級くらいの明るさです。

ISSを見つけるには、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページで、
室蘭上空を通過する時間やコースを検索できる「『きぼう』を見よう」の
サイトを参考にするのが便利です。

なお、室蘭市青少年科学館のプラネタリウムは、3月の投影プログラムで、
ISSや日本の実験棟『きぼう』での日本人宇宙飛行士の活動内容などを紹介しています。
興味のある方はぜひご来館ください。

  ☆室蘭民報 2014年3月9日朝刊掲載 

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Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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