夏の流れ星
夏休みは、寒さの心配もいらず星空観察のしやすい時期です。
そして流れ星もたくさん見られます。
流れ星(「流星 」ともいう)は、宇宙空間にある直径1㍉から数㌢程度のチリの粒が、
地球の大気に飛び込んできて大気と激しく衝突し、
高温になってチリが気化する一方で、大気や気化したチリの
成分が光を放つ現象です。
そして一般に放射点のある星座の名前をとって『○○座流星群』と呼ばれます。
さらにその流星群の活動期間中、最も多く流星が出現することを『極大』と言います。
※ペルセウス座流星群(撮影:2013年8月13日1時20分、登別市来馬町)
さて、夏休み中の流星群ですが、すでにみずがめ座δ(デルタ) 流星群の
活動が始まっており、7月28日ごろ極大を迎えると予想されています。
この流星群は、ほぼ一晩中観察できますが、
放射点が高くなってくる午後11時頃からが好条件となります。
また、やぎ座α ( あるふぁ ) 流星群も活動期間を迎えています。
7月30日の極大日を中心に7月中旬から8月中旬までの長い期間活動する流星群で、
流星の出現数はさほど多くありませんがゆっくりと流れるのが特徴で、
時おり『火球』と呼ばれる明るい流星も現れます。
この2つの流星群の極大ころは、月明かりの影響もなく流星観察には好条件です。
そして、8月13日に極大を迎えるのがペルセウス座流星群です。
今年は満月過ぎの月明かりの影響を受けるので、
観察条件は良くありません。
しかし、三大流星群のひとつで、毎年多くの流星が出現します。
月明かりを視界に入れないように、東から北の方角に目を向けると
比較的たくさんの流星が見られることでしょう。
☆室蘭民報 2014年7月27日朝刊掲載
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彦星
7月7日は七夕 です。七夕の星といえば織姫星と彦星。
『夏の夫婦星』とも呼ばれるこの2つの明るい星は、
天の川の両岸で輝いています。
織姫星は、こと座の一等星・ベガですが、
昨年紹介していますので、今年は彦星を紹介しましょう。
彦星は、わし座の一等星アルタイルです。
アルタイルは、アラビア語で『飛ぶ鷲』という意味で、
アルタイルと両わきにある星を一直線に結んで、昔のアラビアでは
翼をひろげて飛ぶ鷲の姿に見立てていたようです。
中国名は『牽牛 星( けんぎゅうせい )』。七夕伝説では牛飼いとして描かれています。
日本では『彦星』の ほか、『夏彦星』『犬かい星』『牛かい星』『犬ひきどん』
『おんたなばた』などさまざまな名で呼ばれ、親しまれていました。
このわし座のアルタイルと、こと座の一等星ベガ、
そしてはくちょう座の一等星デネブを結んでできる
大きな三角形は『夏の大三角』と呼ばれ、
ほかの星を探すよい目印になります。
お隣の韓国では、七夕を『チルォルチルソッ(7月七夕)』といい、
この日に彦星と織姫が1年ぶりに会ってうれし涙を流すので、
雨が降ると信じられており、2日間雨が続くと別れを惜しむ涙
だと伝えられているそうですが、さて明日の天気はどうなるでしょう。
なお、織姫と彦星、この2つの恒星の実際の位置は、
約15光年離れていると言われているので、
実際には年に一度会うのは難しそうです。
☆室蘭民報 2014年7月6日朝刊掲載