皆既月食 2015
4月4日は、ほぼ半年ぶりに皆既月食が見られます。
皆既月食とは、どんな現象で、それはどうして起こるのでしょう。
月は29日と約半日をかけて地球の周りを一周しています。
地球からは、月が日に日に満ちたり欠けたりするように見えます。
一方、地球に太陽の光が当たると影ができ、
その影は太陽と反対の方向に伸びています。
この地球の影の部分を月が通過する時に、月が暗くなったり、
かけたようにみえる現象が『月食(げっしょく)』です。
月食のしくみ(国立天文台提供)
月食は、太陽と地球と月が一直線に並ぶとき、つまり満月のときにだけ起きます。
ただし、満月のたびに月食になるわけではありません。
それは、地球から見た太陽の通る軌道に対し、月の通る軌道が約5度傾いているため、
ふだんの満月は、地球の影の北側や南側にそれた位置を通るからです。
4月4日の皆既月食は、始まりから終わりまで、
すべての経過を観察することができます。
月全体が地球の本影の中に入る『皆既食 (かいきしょく) 』の時間は、
昨年10月8日の皆既月食が約1時間だったのに比べ、
今回は短く、約12分間です。
皆既月食の時間帯の月は、おとめ座の1等星スピカのそばに見えています。北斗七星からうしかい座の1等星アークトゥルスをへて、
スピカを結んでできる『春の大曲線』の終点付近です。
満月の夜は、月明かりで周辺の星々が見えにくくなりますが、
皆既中は月が暗くなるので、一時的に星々が見やすくなります。
春の星座や、西に沈みつつある冬の星座の輝きも、
一緒に楽しんでみてはいかがでしょう。
昨年10月に続き半年間に2回の皆既月食が起きますが、
皆既月食を見られるチャンスはあまり多くありません。
次に皆既月食が起きるのは、約3年後の2018年1月31日と予想されています。
なお、皆既月食については、室蘭市青少年科学館のプラネタリウムで
わかりやすく解説していますのでぜひご覧ください。
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こぐま座
こぐま座は、北の方角の目印となる『北極星』がある星座として知られています。
そのこぐま座は、1年中見ることのできる星座ですが、
北斗七星をそのまま小さくしたような星の並びが春の宵のころ整って見えることから、
春の星座に分類されることが多い星座です。
※こぐま座と北斗七星(撮影:2015年2月28日午後7時40分 登別市川上町)
ひしゃくのような星の並びから、おおぐま座の北斗七星を『大びしゃく』、
こぐま座を『小びしゃく』と呼ぶことがありますが、
明るい北斗七星に比べこぐま座は、北極星とコカブが2等星のほかは
暗い星が多いので、少し探しにくいかもしれません。
ごぐま座のしっぽのあたりに位置する北極星は2等星で、英語でポラリス。
日本では古くから『北の一つ星』や『子(ね)の星』、『目あて星』、『方角星』、
『心星(しんぼし)』などの呼び名が残っています。
北極星は、北の方角を知る手がかりになることから、
小学校の理科の授業に必ず登場する星です。
北斗七星やカシオペヤ座から探すのが一般的ですが、
春から夏にかけては北斗七星からたどるのが便利です。
その北極星ですが、厳密には地球の自転軸が北側を指す
『天の北極』から約1度ずれており、もっとも天の北極に近づくのは
2100年頃と予測されています。
12月の流星群といえばふたご座流星群が有名ですが、
その後年末を飾る流星群がこぐま座流星群です。
こぐま座流星群は、2等星のコカブ付近が放射点になります。
出現数はあまり多くはありませんが、突発的に多く出現する年があるので注目されています。
流星群が多く現れる今年の極大は、12月23日です。
☆室蘭民報 2015年3月15日朝刊掲載