こうま座
明日は秋の彼岸の入り。そして夜空には秋の星座が姿を見せています。
秋の星座は、ほかの季節に比べ、明るい星が少ないため少々地味な印象です。
さて、秋の夜空で星座や星を見つける目印にされているのが『秋の四辺形』です。
この秋の四辺形は、『秋の大四辺形』や『ペガススの四辺形』とも呼ばれ、
4角形に並ぶ星はペガスス座と言い、翼が生えた天馬ペガススの胴体部分にあたります。
そのペガススの鼻先のすぐとなりに、小さな馬の顔のように星が並ぶ
星座が今回紹介する『こうま座』です。
▲こうま座と秋の四辺形(撮影:登別市幌別町 2016年8月23日20:01)
こうま座は、一番明るい星が4等星で、それもたった一つだけ、
という暗い星の集まりです。
全天88星座の中で、みなみじゅうじ座に次いで2番目に小さい星座です。
しかし、小さいながらもトレミーの48星座の一つに数えられる伝統ある星座です。
はっきりした神話は残されていませんが、ペガススの弟馬にあたるケレリスで、
伝令の神ヘルメスが乗馬の名人・ふたご座の
カストルに与えた、という説が有名です。
α星はキタルファで、アラビア語で『馬の一部』を意味する、
アル・キトア・アル・ファラスが語源と言われています。
また、日本では『駒座』と呼んでいた地方があるという
記録が残っているようです。
この星座は、北海道で見える星座の中で一番小さいうえ、
暗い星ばかりなので撮影には苦労しました。
撮影場所は登別市の幌別川河口でしたが、海岸線の街明かりが
夜空に反映して、こうま座をなかなか探せません。
撮影にあたっては、まず秋の四辺形・ペガスス座を見つけ、
次に四辺形の右上に視線を移し、いるか座を見つけ、
そしているか座の下に見えるみずがめ座を見つけました。
その3つ星座が収まるようにレンズを向け、
無事こうま座を撮影することができました。
こうま座は、できるだけ街明かりのない、
暗い夜空で探すことをおすすめします。
☆室蘭民報 2016年9月18日掲載