さんかく座
西胆振で見ることのできる季節の星座や天文現象を紹介する
この連載は、始まってから4年が経ちました。
これまで紹介してきた星座の数はちょうど40です。
今回紹介するのは、秋の星座『さんかく座』です。このさんかく座は、
三等星以下の暗い星ばかりの小さな星座ですが、
やや細長い三角形の星の並びは、
秋の夜空で割りと簡単に見つけることができます。
▲さんかく座(撮影:洞爺湖町成香 2016年10月1日19:09)
さんかく座は、トレミーの48星座の一つに数えられる歴史のある星座ですが、
この星座にまつわる神話は伝わっていません。
ただし、紀元前の昔からよく目についていたようで、
この星座に関する古い記録はたくさん残されています。
紀元前のエジプト北部では、『ナイル川の三角州』の
象徴とされていた、という記録があります。
ギリシアでは、三角という意味の『トリノゴン』と呼ばれていたり、
ギリシャ文字のΔ(デルタ)に似ているため『デルトートン』と
呼ばれていたこともあるようです。
α星は、三角形の頂点に当たる場所に見える
3等星のカプト・トリアングリで、その名のとおり
ラテン語で三角形のの頂点、という意味です。
さんかく座で有名なのは、渦巻銀河・M33で、
別名『さんかく座銀河』とも呼ばれています。
肉眼で見るのは難しいですが、夜空が暗い場所であれば
双眼鏡を使うとぼんやりとした白い雲のような固まりを見ることができます。
なお、似たような名前の星座に『みなみのさんかく座』というのがありますが、
南半球の星座なので北海道からは見ることができません。
秋の星座でおなじみの、アンドロメダ座やペルセウス座、
そしておひつじ座に囲まれている夜空のスペースに、
小さな三角形の星の並びを見つけてみてください。
☆室蘭民報 2016年11月6日 掲載
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星座観察のツール
10月もまもなく中旬です。夜空には秋の星座が見頃を迎えています。
ところが秋の星座は、一等星が『秋のひとつ星』と呼ばれる、
みなみのうお座のフォーマルハウト一つだけ。
暗い星の星座が多く、なかなか目的の星座を探せないことがあります。
また、冬になると明るい星々が数多く登場し、
目あての星がどの星なのか探すのに迷うことがあります。
そんな時には星座観察の補助用具を使うと便利です。
今回は、星座観察のツールを紹介します。
▲星座観察ツールの定番『星座早見盤』
星座観察の補助用具として長年親しまれているのが『星座早見盤』です。
学校の理科教材としておなじみなので、手にしたことがある方が多いと思います。
室蘭市青少年科学館は現在も販売しており、価格はスチール製が900円、
プラスチック製が300円、そして紙製が30円(いずれも税込み)です。
さて、パソコンの普及に伴い、さまざまな天文シミュレーション・ソフトが販売されています。
観察したい日時の星空や天文現象をはじめ、星座や星雲、小惑星、
さらには人工衛星の動きなど、紹介しきれないほどの
膨大な天文情報データを内蔵しており、調べたいことが
モニター上に表示されるのでとても便利です。
専門メーカーから発売されている有料のソフトが使いやすいですが、
価格が2万円近くとやや高価に感じる方がいるかもしれません。
無料のソフトも数種類提供されているので、パソコンをお持ちの方は、
まずは無料のから試してみてはいかがでしょう。
▲携行に便利で使いやすいスマホ用天文アプリ
携行に便利で使いやすいのがスマートフォン用の天文アプリです。
スマホを空にかざすだけで、その方向に見えている星座や
星の名前が星座絵入りで表示され、とても使いやすいです。
ここ数年さまざまなアプリが発売されています。
無料のアプリもいくつか提供されていますが、
有料のアプリでもほとんどが300円前後で購入できるので、
使い勝手を考えると有料のアプリを購入された方が良いと思います。
☆室蘭民報 2016年10月9日掲載