いぶりの☆星空散歩 2017年02月
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かみのけ座

あと数日で3月が始まります。
室蘭は、3月になってもまだ寒い日がありますが、
東の空を見上げるとすでに春の星座が登場しています。

春の星座を探す目印として役に立つのが『春の大三角』です。
春の大三角とは、うしかい座の1等星・アークトゥルスと
おとめ座の1等星・スピカ、そしてしし座の2等星・デネボラの
3つの星を結んでできる大きな三角形のことです。

その春の大三角のうち、デネボラとアークトゥルスを結ぶ
線上付近にあるのが、今回紹介する春の星座・かみのけ座です。


▲春の大三角とかみのけ座(撮影:20163282016分 洞爺湖町香川)

かみのけ座は、古代ギリシャに『アリアドネの髪』や
『ベレニケのかみのけ座』などと書かれた記録が残るとされ、
紀元前から知られていた古い星座ですが、
プトレマイオスがまとめた48星座には入っていませんでした。

その後、天文学者ティコ・ブラーエが、1602年に星座として
設定したと伝えられています。

かみのけ座は、ひらがなの『く』の字のような星の並びが特徴で、
くの字の先付近に散らばる40個ほどの星の集まりが
散開星団・Mel(メロット)111です。

この散開星団までの距離は約260光年と近いので、
この星々は写真にも写っており、また肉眼でも見つけることができます。



そのほかには、1000個以上の銀河が密集している
『かみのけ座銀河団』が知られていますが、
この銀河団はおよそ3億光年も離れているので、
大型望遠鏡でなければ確認できません。

α星は、5等星の『ディアデム』です。
王冠や髪飾りを意味するこの星は、
古代エジプトのベレニケ王妃の
王冠の宝石を表すとされています。

神話では、ベレニケ王妃が、戦場に行った夫が
無事戻って来たなら、自分の髪を
愛と美の女神・アフロディーテに捧げると誓いました。

その後夫は無事戦場から戻り、
神殿に供えたベレニケ王妃の美しい髪が、
空に上げられ星座になったと言われています。

また、この王妃は実在していたようで、
貨幣に肖像が描かれており、
『ベロニカのコイン』と呼ばれ、
現代に伝えられています。

あまり目立たない星座ですが、
春の大三角を目印に、古代の人々が髪の毛を
イメージした星の集まりを見つけてください。

 ☆室蘭民報 2017年2月26日掲載
 

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ふたご座

昨日2月4日は立春。暦の上では春になりましたが、
北海道の寒さはまだ続きそうです。

さて、夜空を見上げると冬の星座が輝いています。
冬の星座は、6つの星座に1等星が7個もあり、
とてもにぎやかです。
その6つの冬の星座のうちの一つが、
今回紹介するふたご座です。


▲ふたご座と冬の大三角。(撮影:洞爺湖町 201211102238
 
ふたご座は、その名のとおり、仲の良い双子の男の子が
並んだ姿を表した星座です。
2つの明るい星が、それぞれ二人の頭の部分に並んで輝いています。
1等星のポルックスと2等星のカストルで、
古くからペアの星と見られていたようです。

明るさと色が少し違うことから、
日本では金の星、銀の星と呼ぶ地方があります。
また、この2つの星は、目にたとえられることが多く、
『犬の目』や『猫の目』、『かに目ぼし』、
『目玉星』、『金目・銀目』などと呼ばれていたようです。



2等星のカストルは、実は一つの星ではなく、
小さな望遠鏡でも確認できる1.9等と2.9等の連星で、この2つの星は、
どちらも表面温度が9000度を超えているため白っぽく見えます。
また、詳しい観測では、その2つの星がそれぞれ連星になっていて、
さらに離れたところにある連星とで三対の連星をつくり、
それが共通重心のまわりを回っているという、
複雑な系になっていることがわかっています。

1等星のポルックスは、表面温度が約4400度と低めで、
ややオレンジ色がかって見えます。
このポルックスも複雑な多重連星であることがわかっています。

神話では、兄のカストルは乗馬、
弟のポルックスはボクシングの名手で、
さまざまな冒険で活躍しました。
海の神ポセイドンが、兄弟の仲の良いことに感心し、
風と波を静める力を与えたことから、
古代ローマ時代には航海の守り神として、
船首に二人の像を飾る習慣があったと伝えられています。

このところ、日の暮れるのが
少しずつ遅くなってきているのを感じます。
午後6時半を過ぎるころには空は真っ暗になり、
星が見やすくなるので、東の空に輝く、
仲の良い双子の星を探してみてください。

 ☆室蘭民報 2017年2月5日掲載

金星が最大光度(2月17日)

宵の明星として南西の夕空で輝いている金星が、
2月17日に最大光度を迎えます。


※撮影 2017年1月30日 17:48 登別市幌別川河口

このところの金星は、-4.6等とかなり明るいので
薄い雲がかかっていても見えるほどです。
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DENZAI環境科学館の天文ガイド

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