ふたご座流星群 2017
毎年12月14日ごろを中心に活動する
ふたご座流星群の活動が始まっています。
ふたご座流星群は、毎年ほぼ確実に、
たくさんの流星が出現することで知られており、
1月の『しぶんぎ座流星群』や8月の『ペルセウス座流星群』とともに、
特に『三大流星群』と呼ばれています。
▲ふたご座流星群の極大日に現れた流星。(撮影:2015年12月14日午後11時12分 登別市札内町)
流星群の活動がもっとも活発になることを『極大』といいますが、
今年のふたご座流星群の極大は、
12月14日の午後3時ごろと予想されています。
その時間帯はあいにく日中ですが、
極大日前後の夜は多くの流星が見られることでしょう。
観察の一番目のおすすめは、12月13日の
午後10時ごろから翌14日の日の出前まで。
また、極大の直後となる12月14日の夜も
多くの流星が見られると思われます。
今年は、流星観察の妨げになる月明かりの影響が少ないため、
観察条件は良い方とされており、
国立天文台は観察できる流星の数を、
ピーク時には1時間あたり40個以上と予想しています。
▲12月14日午後10時ごろのふたご座の位置。2等星カストルのすぐそばがふたご座流星群の放射点です。
さて、流星群の観察は空のどの方角を見るといいのでしょう。
流星群の流星は、『放射点』といわれる一点を
中心に放射状に出現します。
ふたご座流星群の放射点は、
ふたご座の中で特に明るい2つの星の一つ・
カストルのすぐそばにあります。
夜10時を過ぎて放射点が空高く昇るころには、
流星が四方八方に飛び散るように現れるので、
放射点の方向よりも、空全体を眺めるほうが
多くの流星を見つけられます。
今年の室蘭は、1月のしぶんぎ座流星群や
8月のペルセウス座流星群がともに厚い雲に覆われ、
満足できる観察ができなかったので、
今週極大を迎えるふたご座流星群に期待したいところです。
※室蘭民報 2017年12月10日掲載予定
スポンサーサイト
ちょうこくしつ座
早いものでもう12月。
日一日と冬らしくなっていますが、
冬の星座の見ごろはもう少し先で、
夜空には秋の星座がよく見えています。
▲ちょうこくしつ座(撮影: 2017年11月12日午後8時21分 白老町竹浦)
今回紹介する星座は、秋から冬の初めにかけ、
南の空低く見えるちょうこくしつ座です。
18世紀のフランスの天文学者・ラカイユが設定した新しい星座で、
『彫刻室』と漢字で書いたほうがイメージしやすいかもしれません。
原名は『彫刻家のアトリエ』といい、
彫刻家のアトリエの様子を描いためずらしい星座です。
ただし、ラカイユ自身が製作したと言われる星図には、
台の上に置かれた人物の胸像と、
彫刻家の木づちやのみなどが描かれているだけです。
また、名前のついた星もなく、新しい星座なので神話もありません。
似たような名前の星座に『ちょうこくぐ座』がありますが、
これは別の星座で、北海道からは星座の一部しか見えません。
このちょうこくしつ座は、全天88星座の中でも
見つけにくい星座のひとつに数えられます。
さがす方法は、南の空が広く見渡せる場所で、
晴れて大気の透明度の良い日に、
『秋のひとつ星』といわれるみなみのうお座の
1等星フォーマルハウトを見つけ、
その東側、空に向かって少し左に視線を向けると
明るい星のないエリアがあります。
そこがちょうこくしつ座です。
そのちょうこくしつ座のすぐ上には、
くじら座の2等星デネブ・カイトスが目立っています。
その2つの星を見つけるとおおよその位置がつかめます。
冬至が近づき、日が暮れるのが早くなってきました。
仕事が終わる時間帯には、もう空が真っ暗になっています。
この原稿が掲載される12月3日の午後7時頃には、
このちょうこくしつ座がほぼ真南の低い空に見えています。
☆室蘭民報 2017年12月3日 掲載