いぶりの☆星空散歩 2018年07月
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大接近中の火星(1)

7月31日に火星が地球に大接近するので
火星はいつになく輝いて見えます。
明るさはマイナス2.8等。

画像は満月に負けずに輝く火星。
(画面中央左の雲の中)



▲2018年7月28日 03:23 伊達市南有珠町
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ペルセウス座流星群 2018

毎年お盆休みの時期に活発になる
『ペルセウス座流星群』の活動が始まっています。


▲2016年のペルセウス座流星群の流星(撮影:2016812日午前147分 オロフレ峠展望台)

流星(「流れ星」ともいう)とは、宇宙空間にあるチリの粒が、
地球の大気に飛び込んできたときに、
大気との摩擦によって光を放つ現象です。

流星が飛び出す中心となる点を『放射点 ( ほうしゃてん )
そして一般的に放射点のある星座の
名前をとって『○○座流星群』と呼ばれます。
さらにその流星群の活動期間中、
最も多く流星が出現することを『極大 ( きょくだい )』と言います。

1月の『しぶんぎ座流星群』、8月の『ペルセウス座流星群』、
そして12月の『ふたご座流星群』。
数ある流星群の中でも、毎年安定した活動で
出現数が多い流星群を特に『 ( さん )大流星群 ( だいりゅうせいぐん )と呼んでいます。 

その三大流星群の一つ・ペルセウス座流星群の活動期間は、
例年7月20日ごろから8月20日ごろまでと長く続きます。
特に8月7日から15日ごろにかけて活発になり、
8月13日に極大を迎えます。

この流星群の特徴は、
チリの粒が地球に衝突する速度が速いため、
明るい流星が多いことです。

今年は、極大日前後に観察の妨げとなる
月明かりの影響を受けないため、
国立天文台は、観察条件を『良』としています。
例年多くの流星が現れますが、
街明かりのない暗い場所ならば、ピーク時には1時間に
40個以上も見られると言われています。



では、いつごろ観察すると良いのでしょう。
一番のおすすめは、8月12日の深夜から13日の夜明け前です。
放射点のあるペルセウス座が姿を現すのが午後9時ごろ。
この時間から流星が現れ始め、放射点の高度が
高くなるにしたがって流星の出現数も増え、
四方八方に流れます。

13日の室蘭の日の出は午前4時41分ですから、
未明から午前3時ころまでは、
たくさんの流星を見られそうです。

この流星群は活発なので、もしも12日深夜の天候が悪くても、
極大の前後合わせて3日間ほど、すなわち、
11日と13日の深夜から夜明けにかけても
多くの流星が見られると思われます。

一昨年はたくさんの流星を見ることができましたが、
昨年は、極大日前後の天候が悪く室蘭では観察できませんでした。
観察条件の良い今年はぜひ晴れてほしいものです。

空を広く見渡せる場所で、ペルセウス座の方向だけではなく、
なるべく空全体を眺めるようにすると
たくさんの流星を見ることができるでしょう。
ちょうどお盆休みの時期なので、少し夜ふかしをして、
流星を観察してみましょう。
 
  ※室蘭民報 201885掲載

月没帯食 2018

今年2回目の皆既月食。

北海道では皆既食が始まる前に
月が沈んでしまいました。


▲撮影:2018年7月28日 04:03 伊達市南有珠町

画像は、地平線付近の雲の切れ間から姿を現した
部分食中の満月です。


火星が大接近

今回のタイトルは『火星が大接近』です。
ただし、大接近と言っても火星が地球に向かって
飛んでくるわけではありません。


▲前回接近時の火星(撮影:20166272230分   伊達市南有珠町)

地球や火星などの太陽系の惑星は、
それぞれ違う軌道や周期で太陽の周りを公転しています。
このため、惑星同士の位置関係はいつも変化しています。

地球は、365日で太陽の周りを1周しますが、
地球よりも太陽から離れている火星は、
1周するのに約687日もかかります。

そのため火星よりも公転の速度が速い地球は、
780日、およそ2年2カ月ごとに、
火星に追いつき追い越します。
このとき、火星と地球の距離が近くなるので「接近」
または「最接近」などと呼ばれます。



ただし、接近するたびに距離が同じになるわけではありません
地球の公転軌道は円に近いですが、
火星の軌道はややつぶれた楕円となっているため、
接近する位置が毎回ずれ、その距離は大きく変わります。
図のとおり、最も近い位置での接近と、
最も遠い位置での接近では、距離が2倍ほども違います。

今回接近するのは7月31日です。
この時地球と火星の距離はかなり近く、
5,759万キロメートルです。
6000万キロメートルよりも近い距離まで近づく時は
『大接近』と呼ばれますが、
これほど近くなるのは2003年の
大接近以来15年ぶりのことです。

そして次の大接近は、
17年後の2035年と予想されています。




火星の大接近というと、その日だけが話題になりますが、
大接近前後の数週間は、地球と火星の距離はさほど変わりません。

火星の明るさは、今年の1月ごろは、2等星ほどでしたが、
その後少しずつ明るくなり、4月下旬から11月下旬までは
マイナス等級、すなわち1等星よりも明るく見えます。
そして大接近の時期はマイナス2.8等まで明るく見えます。

この原稿の掲載は7月15日の予定ですが、
その夜は午後9時を過ぎるころ、
そして大接近する7月31日は、午後8時過ぎには、
南東の空に赤く輝く火星を見つけることができます。

 ※室蘭民報 2018年7月15日掲載

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kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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