水星と火星が接近
太陽系の惑星のうち、のうち、
もっとも内側を回る水星は、
太陽から大きく離れることがないため、
見つけるのがむずかしい惑星です。
見えるときでも、日の出直前の明るくなり始めた東の空、
または、日の入り直後のまだ空に明るさが残る
西の空の低い位置に、わずか1時間程度という
短い時間しか姿を見せないからです。
▲水星は太陽系惑星の中で太陽の一番近くを、そして火星は地球のすぐ外側の軌道を公転しています
水星は、地球よりも太陽に近い軌道を公転しているので
『内惑星 ( ないわくせい )』と呼ばれます。その水星は、6月24日に
『東方 ( とうほう )最大離 ( さいだいり )角 ( かく )』となり、観察の好機をむかえます。
東方最大離角とは、内惑星が見かけ上
太陽のもっとも東側に離れることで、
このころ日没後の西の空で見つけやすくなります。
今年の水星の東方最大離角は、2月、6月
そして10月の3回ありますが、
6月の離角は25度を超え今年最大になります。
また、日没時の標準的な高度も10日から27日までは17度を超え、
特に18日から20日の高度は、18.9度と今年最高となるため、
水星観察の好機をむかえます。
その時期の水星は、ふたご座付近で輝いていますが、
6月18日と19日にはその水星に
火星が見かけ上かなり接近します。
▲6月18日と19日の西の夕空で、水星と火星が見かけ上かなり接近します(イメージ図)。
火星は、昨年地球に大接近し、
マイナス2等級を超える明るさで輝いていましたが、
地球から遠ざかりつつある今は、
1.8等程度の明るさです。
水星やふたご座の1等星・ポルックスよりやや暗いため、
空に明るさが残る時間帯に火星を見つけるには、
双眼鏡を使わなければむずかしいかもしれません。
火星は、今後見かけの位置が太陽に近くなるため、
7月ごろから観察しにくくなります。
次に観察できるのは、今年の11月中旬以降で、
日の出前の東の空におよそ1.8等の明るさで見えるでしょう。
その後は、次回2020年10月の地球への接近に向け、
光度が少しずつ上がっていきます。
日ごろ見つけにくい水星と火星の大接近は、
とてもめずらしい天文現象なので、西の方向が開けた場所で、
ぜひ観察してみましょう。
※室蘭民報 2019年6月2日掲載
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