いぶりの☆星空散歩 2019年10月
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変光星ミラが極大

秋も終わりに近づいてきました。

晩秋の南の空には、星座で4番目に大きいくじら座が

横たわっているように見えます。


126 ミラが極大110A6652

 ▲くじら座(撮影: 20191023日午後739分 登別市栄町)


くじら座で一番明るい星は、β星の2等星『ディフダ』です。

この星はかつて『デネブ・カイトス』の名で呼ばれていました。

デネブ・カイトスとはアラビア語で「くじらのしっぽ」が語源といわれ、

文字どおりクジラの尾のあたりに輝いています。


その後、このβ星の名称は、2016年の国際天文学連合で

『ディフダ』(アラビア語で2匹目のカエル)と正式に決定されたため、

最近の天文雑誌や書籍ではこのディフダが使われています。


クジラの胸のあたりには、明るさが大きく変わる

変光星として有名な『ミラ』が姿を見せています。


『ミラ』(ラテン語の「ふしぎなもの」の意)は、

平均すると332日ほどの周期で、

2等級から10等級くらいまで明るさが変化します。


ミラは直径が太陽の520倍もある赤色超巨星ですが、

表面温度は太陽の3分の1の2000度くらいしかないとされていますが、

なぜこのミラの明るさが変わるのでしょう?

それについて国立天文台は、一生の終りに近い段階のこの星が、

膨張と収縮を繰り返す不安定な状態にあるためで、

膨張すると星の温度が下がって暗くなり、

収縮すると温度が上がって明るくなる、と解説しています。


もっとも暗くなることを『極小』、

もっとも明るくなることを『極大』と呼びますが、

そのミラの極大が近づいてきました。


極大の時期を、理科年表は1117日、

天文年鑑は、1119日と予想しています。

ミラは、変光の周期も極大時の明るさもばらつきがあり、

極大日や明るさの等級の予想がむずかしい変光星とされているため、

10日程度のずれはあり得ます。


また、明るさも必ずしも2等級に達するとは限りませんが、

この画像を撮影した10月下旬で、くじら座のα星で

3等星のメンカルとほぼ同じくらいの明るさになっているので、

今後はさらに明るくなることが予想されます。


星図(掲載用)ミラが極大


では、ミラを見つけるにはどの星を目印にするといいのでしょう?

まず秋の星々を探す目印として使われる、

秋の四辺形の東側の2つの星を線で結び、

その線を南側に下ろすとディフダが見つかります。


また、くじら座の東側にはおうし座の1等星

『アルデバラン』が輝いています。

この2つの星のほぼ真ん中に輝く赤い星がミラです。


ミラを見たことがない、という方が多いと思います。

というのも、ミラは1年の半分以上は肉眼では見えないうえ、

仮に光度が上がったとしても、4月から6月ごろにかけては、

太陽に近い時期なので見ることはできません。


ということで、今月はミラを観察するには絶好の時期です。

これから12月にかけて、1週間おきくらいに観察しながら、

ミラの明るさが変わる様子を楽しんでみましょう。

 

 ※室蘭民報 2019年11月10日掲載予定


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アンドロメダ座

秋を代表する星座といえば、

4つの星が四角形の形に並ぶペガスス座です。

羽のはえた天馬ペガススの胴体部分に当たるこの4つの星は、

『秋の四辺形』や『ペガススの四辺形』などと呼ばれ、

暗い星座が多い秋の夜空で見つけやすい星の並びです。

125 アンドロメダ座110A4182

▲カムイヌプリ上空に輝くアンドロメダ座(撮影:室蘭市香川町2019912003


その4つの星のうち北東側の星・アルフェラッツは、

実はとなりのアンドロメダ座のアルファ星です。

この2等星・アルフェラッツは、アラビア語で『馬のへそ』と言われ、

その名のとおりかつてペガスス座のデルタ星でしたが、

20世紀になって国際天文学連合が星座の境界を定めた際に、

アンドロメダ座のアルファ星と決められてしまいました。

そのためペガスス座にはデルタ星がありません。


カシオペヤ座をはじめケフェウス座、ペルセウス座にくじら座など、

秋の星座は星座神話の古代エチオピア王家の物語に

登場する人物や動物が星座になっています。

 

 アンドロメダ座は、王女・アンドロメダ姫が、

国を救うために生けにえにされ、海岸の岩に両腕を鎖で

つながれている姿とされています。


神話では、姫に襲いかかろうとしていたおばけクジラを、

天馬ペガススに乗ったペルセウス王子が

寸前に退治したと伝えられています。


星図(掲載用)アンドロメダ座


アルフェラッツはアンドロメダ姫の頭に位置し、

そこからほぼ等間隔に並ぶ3つの2等星が、

アンドロメダ座の目印です。


真ん中の星はミラク、足元に位置する星は

アルマクの固有名をもちます。

アルマクは、オレンジ色の2等星と緑色の5等星の

2重星として知られています。


ミラクの近くには、『アンドロメダ銀河(M31)』があります。

地球の属する天の川銀河のとなりの銀河ともいえる渦巻き型の銀河で、

地球からの距離は約230万光年と言われています。


宇宙情報センターによると、アンドロメダ銀河に含まれる星の数は、

天の川銀河の約2倍と推測されています。

このアンドロメダ銀河は、双眼鏡でのぞいてみると長い楕円形に見え、

空気が澄んだ月明かりのない夜には、肉眼でも見つけることができます。


※室蘭民報 2019年10月20日掲載

 



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DENZAI環境科学館の天文ガイド

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