いぶりの☆星空散歩 2019年12月
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部分日食

12月26日の午後、全国で太陽の一部が欠けて見える

現象が起きます。これは『部分日食』と呼ばれます。

部分日食は、今年の1月に、約3年ぶりに起きましたが、

1年に2回も国内で部分日食が見られるのはめずらしいことです。


128 星図(掲載用)部分日食


では、部分日食はどうして起きるのでしょう?

『日食』は、「日(太陽のこと)を食べる」と書きます。

だれが太陽を食べるのかというと、それは『月』です。


日食は、太陽と地球の間に、月が入り込んで太陽を隠してしまう現象で、

太陽と月と地球が一直線に並ぶ新月の時に起きます。

ただし、月の見かけの通り道は、太陽の見かけの通り道に対して、

約5度傾いているので、新月のたびに日食が起きるわけではありません。


月が太陽の一部を隠す現象を『部分日食』、

すべてを隠す現象を『皆既日食』といいます。


今回の部分日食はどのように見えるのでしょう。

室蘭では、午後2時31分ごろ、

太陽に向かって右下から少しずつ欠け始めます。

太陽がもっとも欠けて見える『食の最大』になるのが3時27分ごろで、

この時の太陽は左下が欠けて見えます。


そして欠けている部分が少しずつ小さくなり、

日食が終わる前の4時9分には日没となってしまいます。

この太陽が欠けたまま沈む現象を『日没帯食』といいます。


128 部分日食AG1I1790

▲今年1月に室蘭で見られた部分日食。(撮影:201916日午前106分 室蘭市本町)


欠ける割合(食分)は、那覇で約0.47、東京で約0.39、

そして室蘭が約0.27と、北に行くほど小さく、

また、国立天文台発表の太陽が欠ける面積比は、

室蘭で約16%と予想されています。


東日本、北日本では部分日食が終わる前に日が沈んでしまいますが、

日没の遅い西日本では部分日食の全過程を観察できます。

また、この日東南アジアやグアム島などでは金環日食となります。

次回日本で金環日食が見られるのは2030年6月1日で、

国内では北海道でだけ観察できます。


1月の部分日食が起きた日の室蘭は、

雲りがちで思うように観察できませんでしたが、

今回晴れると、少しだけ欠けた夕日が沈む様子を

観察できるかもしれません。


なお、日食を観察するときに、太陽を直接見てはいけません。

目を痛めたり失明する恐れがあるので、

必ず太陽観察用メガネなどを利用してください。


 ※室蘭民報2019年12月22日掲載

 



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