部分日食
12月26日の午後、全国で太陽の一部が欠けて見える
現象が起きます。これは『部分日食』と呼ばれます。
部分日食は、今年の1月に、約3年ぶりに起きましたが、
1年に2回も国内で部分日食が見られるのはめずらしいことです。
では、部分日食はどうして起きるのでしょう?
『日食』は、「日(太陽のこと)を食べる」と書きます。
だれが太陽を食べるのかというと、それは『月』です。
日食は、太陽と地球の間に、月が入り込んで太陽を隠してしまう現象で、
太陽と月と地球が一直線に並ぶ新月の時に起きます。
ただし、月の見かけの通り道は、太陽の見かけの通り道に対して、
約5度傾いているので、新月のたびに日食が起きるわけではありません。
月が太陽の一部を隠す現象を『部分日食』、
すべてを隠す現象を『皆既日食』といいます。
今回の部分日食はどのように見えるのでしょう。
室蘭では、午後2時31分ごろ、
太陽に向かって右下から少しずつ欠け始めます。
太陽がもっとも欠けて見える『食の最大』になるのが3時27分ごろで、
この時の太陽は左下が欠けて見えます。
そして欠けている部分が少しずつ小さくなり、
日食が終わる前の4時9分には日没となってしまいます。
この太陽が欠けたまま沈む現象を『日没帯食』といいます。
▲今年1月に室蘭で見られた部分日食。(撮影:2019年1月6日午前10時6分 室蘭市本町)
欠ける割合(食分)は、那覇で約0.47、東京で約0.39、
そして室蘭が約0.27と、北に行くほど小さく、
また、国立天文台発表の太陽が欠ける面積比は、
室蘭で約16%と予想されています。
東日本、北日本では部分日食が終わる前に日が沈んでしまいますが、
日没の遅い西日本では部分日食の全過程を観察できます。
また、この日東南アジアやグアム島などでは金環日食となります。
次回日本で金環日食が見られるのは2030年6月1日で、
国内では北海道でだけ観察できます。
1月の部分日食が起きた日の室蘭は、
雲りがちで思うように観察できませんでしたが、
今回晴れると、少しだけ欠けた夕日が沈む様子を
観察できるかもしれません。
なお、日食を観察するときに、太陽を直接見てはいけません。
目を痛めたり失明する恐れがあるので、
必ず太陽観察用メガネなどを利用してください。
※室蘭民報2019年12月22日掲載