いぶりの☆星空散歩 2020年01月
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冬の大三角

あさって・2月4日は立春です。

大寒が終わり、こよみの上では春になります。

今年は暖冬と言われていますが、

実際の寒さはまだまだ続きそうです。


夜空を見上げると、冬の星座がたくさん輝いています。

全天21個の1等星のうち、室蘭から見える1等星は15個です。

そのうち、冬の星座に分類される1等星が7個もあるので、

「冬の夜空はにぎやか」と言われています。

130-2(新)冬の大三角シャドウ110A9600

            ▲冬の大三角(撮影:20201月26日午後6時37分登別市札内町)


その1等星の中で、オリオン座のベテルギウス、

おおいぬ座のシリウス、そしてこいぬ座のプロキオン。

この三つの1等星を結んでできる三角形は、

『冬の大三角』と呼ばれています。

ほかの星座や星を見つける目印となる星の三角形は、

春や夏にもありますが、冬の大三角は、

ほぼ正三角形で一番整って見えます。


オリオン座の1等星ベテルギウスは、

一生の終わりの時期に差しかかっている赤色超巨星の段階にあり、

直径は太陽のおよそ1400倍の大きさにまで

膨らんでいると言われています。

地球からおよそ500光年の距離にあり、

表面温度は3400度と推定されています。


ベテルギウスはほぼ5年の周期で0.0等から

1.3等の間で明るさを変える変光星とされていましたが、

昨年秋ごろから1.3等よりもさらに暗く見える、

と話題になっています。


青白く輝くおおいぬ座の1等星シリウスは、

明るさがマイナス1.5等と1等星の中で一番明るい星です。

これだけ明るく見えるのは、地球からの距離が

およそ8.6光年と恒星の中では地球に近く、

大きさが太陽の2倍程度なのに、

明るさは太陽の23倍もあるためと言われています。

このシリウスの表面温度は約1万度と推定されています。


星図(掲載用)冬の大三角


白く輝くこいぬ座の1等星プロキオンの明るさは0.4等です。

ギリシャ語の「犬の前に」が語源とされ、

おおいぬ座のシリウスの少し前に東の空に昇ることから

この名がついたと言われています。

地球からの距離はおよそ11光年と、

明るい恒星の中ではシリウスとともに地球に比較的近い星です。

直径は太陽の2倍ほど、明るさは太陽のおよそ6倍で、

表面温度は約6500度と推定されています。


明るい星々・冬の大三角は、

市街地からでも見つけることができます。

ベテルギウスは濃いオレンジ色、シリウスは青白く、

プロキオンは白く輝いているので、

三つの星の色を比べてみるのもおもしろいと思います。



 ※室蘭民報 2020年2月2日掲載

 



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オリオン座

1年中でもっとも寒い時期になりました。

夜空を見上げると冬の星座が輝いていますが、

冬を代表する星座といえば今回紹介するオリオン座です。


129 オリオン座(シャドウ)_E9A053
▲オリオン座(撮影:20151214日午前37分 登別市札内町)

オリオン座の中心には、3つの2等星が

ほぼ等間隔で一直線に並んでいます。

これは、日本で古くから『三つ星』と呼ばれていました。


この三つ星を囲むように、2つの1等星と2つの2等星が

四辺形をつくっています。この整った星の並びが

オリオン座の特徴で、冬の夜空でとても目立ちます。


よく見ると、三つ星の下には3つの星が

これも小さく一列に並んでいます。

この小さな星の並びは、古くから『小三つ星』と呼ばれていました。

その小三つ星の真ん中には、有名な大星雲・

M42『オリオン大星雲』がぼんやりと見えています。

オリオン大星雲は天体望遠鏡を使うと、

鳥が翼を広げているように見えます。


オリオン座で一番明るい星は、四辺形の右下で

青白く輝く1等星のリゲルです。そしてリゲルの対角線上には、

1等星のベテルギウスが濃いオレンジ色に輝いています。


星図(掲載用)オリオン座

ベテルギウスは、およそ5年の周期で、

0.0等から1.3等の間で明るさが変わる変光星ですが、

変光の周期も明るさも一定していないとされています。

また、ベテルギウスはいつ『超新星爆発』(自ら光を発する恒星が

その生命を終える時、何らかの原因で大爆発を起こし、

まるで新しい星が誕生したかのように見える現象)を

起こしてもおかしくないと言われています。


2018年には、巨大望遠鏡の『アルマ望遠鏡』で撮影した

ベテルギウスの画像を、国立天文台が公開しています。

それによると「地球から約500光年離れているベテルギウスは、

終末期の赤色超巨星の段階で、太陽のおよそ1400倍の

大きさにまでふくらんで巨大な星になっている。

星の表面の温度差が確認され、ベテルギウス内部から

高温の物質がわき上がる対流現象が起きているのではないか」

などと解説しています。


星座の名になっているオリオンは、神話に登場する巨人の狩人です。

初冬のころに、おうし座に次いで東の空に昇ってくることから、

おうし座のプレヤデス星団の美しい姉妹を追いかけている、

という神話があります。


また、別な神話では、力自慢の狩人・オリオンは、

粗暴でごう慢になったため、神々が放った毒サソリに

刺されて亡くなった、というのもあります。

それは夏の星座・さそり座が登場する同じ空には、

オリオン座が見られないことに結びつけ、

この神話がつくられたと言われています。


 ※室蘭民報 2020年1月12日掲載


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kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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