いぶりの☆星空散歩 2020年05月
fc2ブログ

からす座

6月21日の夏至が近づき、日一日と日没が遅くなっています。

今日6月7日の室蘭の日の入りは午後7時11分なので、

空が暗くなり、星々が観察できるのは

午後9時ごろになります。

135--からす座(シャドウ110A1015

▲からす座(撮影日時:201955日午後827分 室蘭市東町)


北東の夜空を見上げると、北斗七星が空高く昇っています。

その北斗七星の柄の曲りのカーブにそって視線をのばしていくと

オレンジ色に輝くうしかい座の一等星・アークトゥルス

さらにおとめ座の一等星・スピカが見つかります。

これを線で結ぶと大きな曲線になりますが、

この曲線は『春の大曲線』と呼ばれています。


その大曲線の終点スピカの西隣に

たてに長い台形のような星のならびが見つかります。

これが今回紹介する『からす座』です。


からす座は、さほど大きな星座ではありませんが、

4つの3等星が台形のように小さくまとまり、

明るさもそろっているので、春から夏のはじめにかけて、

南の空でよく目立つ星の集まりです。


この台形の上辺の2つの星を結び、左(東)へまっすぐのばしていくと、

青白く輝くおとめ座の1等星・スピカに届きます。


からす座は、2世紀にプトレマイオスが設定した

48星座に含まれる歴史ある星座で、神話も残されています。

神話のもっとも有名なエピソードは、もともとこのカラスは、

美しい銀色の羽根を持ち、人間の言葉を話す賢いカラスでした。

しかし太陽神・アポロンに重大なうそをついたため、

その罰として言葉を取り上げられたうえ、

真っ黒な姿に変えられて天にはりつけにされた、というものです。


星図(掲載用)からす座


からす座のアルファ星は、台形の右下にある4等星のアルキバです。

星座絵にはカラスのくちばしのあたりに描かれており、

からす座では5番目に明るい星ですが、大昔はこの星が

一番明るかったため、このように整理されたものと思われます。


日本では、台形型に輝く4つの星が目立っていたためか、

『ヨツボシ』という呼び名が広く各地に伝わっています。

また、船の帆に見立てた、『ホカケボシ』という

和名もよく知られています。


例年6月から7月にかけて、室蘭地方は肌寒い曇りの日が

多くなりますが、晴れた日は、南の夜空で台形のように星がならぶ、

からす座をさがしてみてください。



 ※室蘭民報 2020年6月7日(日)掲載予定


 

スポンサーサイト



プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

最新記事
カテゴリ
カレンダー&アーカイブ(Tree)
04 | 2020/05 | 06
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

+ アーカイブ
 
シンプルアーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR