いぶりの☆星空散歩 2020年09月
fc2ブログ

火星が接近

昨日は秋の彼岸の入りでした。

時々夕景を撮影していますが、秋の彼岸のころの室蘭の夕焼けは、

他の季節に比べ、いちだんときれいに染まると感じます。


141-火星が接近110A3875

前回接近時の火星(撮影:2018912049分 豊浦町字礼文華)


さて、夕焼けの時間帯が終わり、空が暗くなると、

東の空に赤く輝く星が目立っています。

10月6日に地球に接近する火星です。


地球や火星などの太陽系の惑星は、それぞれ違う軌道や周期で、

太陽の周りを公転しています。

このため、惑星同士の位置関係はいつも変化しています。


地球は、365日で太陽の周りを1周しますが、

地球よりも太陽から離れている火星は、

1周するのに約687日もかかります。

そのため火星よりも公転速度が速い地球は、約780日、

およそ2年2カ月ごとに、火星に追いつき追い越します。

このとき、火星と地球の距離が近くなるので『火星の接近』と呼ばれます。


地球と火星の接近(小)


地球の公転軌道がほぼ円に近いのに比べ、火星の公転軌道は

楕円になっているため、接近時の距離はそのたびに変わります。

前回、2018年の接近時には、5,759万キロメートルまで近づき、

視直径が24.3秒角と大きく見えました。

これほど近づくのは15年ぶりのことで『大接近』と表現されました。


今回の接近は、前回ほどではありませんが、

距離が6,207万キロメートル、視直径は22.6秒角と、

前回のおよそ95%の大きさに見えます。

このため今回の接近を天文雑誌などは『準大接近』と表現しています。


ちなみに、地球と火星は今後2年2カ月たつと再び接近しますが、

このときの視直径は今回より小さく、17.2秒角にしかなりません。

次に20秒角を超える大きさになるのは

2033年まで待たなくてはなりません。


星図 掲載用(火星の接近)


今回もっとも接近するのは106日ですが、

明るさがマイナス2等級を超える観察しやすい期間は、

9月から11月上旬まで長く続きます。


西の空には、この夏輝き続けていた木星と土星が見えています。

また、日ごろ観察しにくいと言われる水星も10月上旬には

観察の好機を迎えます。


秋の星座は、1等星のフォーマルハウトを除くと暗い星が多く、

秋の夜空は地味な印象ですが、今年の秋は火星をはじめ惑星が輝く、

例年とは違った夜空になりそうです。


 ※室蘭民報 2020年9月20日掲載

 

 

スポンサーサイト



プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

最新記事
カテゴリ
カレンダー&アーカイブ(Tree)
08 | 2020/09 | 10
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

+ アーカイブ
 
シンプルアーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR