いぶりの☆星空散歩 2020年11月
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ふたご座流星群 2020

みなさんは流れ星を見たことがありますか?

流れ星は、『流星』とも呼ばれ、晴れて空気の澄んだ夜には、

「最低でも1時間に2~3個は見られる」と言われています。


でも、冷える屋外で、20分、30分と辛抱強く夜空を見上げていても、

1個も見られないこともありえるため、

真冬の寒い時期にはつらいものがあります。


144ふたご座流星群2019110A8525

▲ふたご座流星群の流星(撮影:20191215日午前446分 白老町虎杖浜)


ところが、まもなく2~3個どころではなく、

もっとたくさんの流れ星が見られそうです。

それは『ふたご座流星群』の活動が活発になるためです。


1214日ごろを中心に活動するふたご座流星群は、

毎年たくさんの流星が出現することで知られており、

1月の『しぶんぎ座流星群』や8月の『ペルセウス座流星群』とともに、

特に『三大流星群』と呼ばれています。


ふたご座流星群の活動期間は、

毎年12月4日から17日ごろまでとされていますが、

特に1210日を過ぎると見える流星の数が増えてきます。


流星群の活動がもっとも活発になることを『極大』といい、

今年のふたご座流星群の極大は、

1214日の午前10時ごろと予想されています。


この流星群の観察しやすい時間ですが、今年はいつごろになるのでしょう?

国立天文台は、1213日の夜から翌14日の明け方までの時間帯を

すすめており、特に日付が変わるころには、暗いところであれば、

1時間に55個前後の流星が見られると解説しています。


また、極大日前後の12日と14日の夜も、

最大で1時間に20個以上の流星を見られると予想しています。

いずれの夜も、流星は20時過ぎごろから現れ始め、

22時ごろから本格化し、夜半を過ぎたころにもっとも多くなりそうです。


星図ブログ用放射点(ふたご座流星群)


流星群の流星は、『放射点』といわれる一点を中心に放射状に出現します。

放射点があるふたご座は、日没とともに北東の空に昇ってきますが、

放射点が空高く昇る真夜中ごろには、流星が四方八方に

飛び散るように流れるので、放射点の方向よりも、

空全体を眺めるほうが多くの流星を見つけられるでしょう。


流星を見にくくするのが月明かりですが、

15日が新月なので影響はありません。

今年はとても良い条件で、

たくさんの流星を観察できそうです。

 

 

 ※室蘭民報 2020年12月6日掲載

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ぎょしゃ座

立冬が過ぎ、日に日に寒くなっていく今日このごろですが、

夜空にはすでに冬の星座が登場しています。


空が暗くなって、まず北東の空に見えてくる冬の星座が、

今回紹介する『ぎょしゃ座』です。

次いでぎょしゃ座の西側には『おうし座』も見えてきます。

この2つの冬の星座は、9月の下旬になると宵の空に登場しています。


143-ぎょしゃ座110A7252

 ▲カムイヌプリ上空で輝くぎょしゃ座とおうし座(撮影:20191124日午後613分 室蘭市香川町)


ぎょしゃ座は、5つの星が将棋の駒のような五角形に

並んでいるのが特徴で、この星の並びには、『イツツボシ』や

『ゴカクボシ』などの呼び名が日本の各地に残されています。


なお、正確には、5つの星のうち右下に見えるエルナトは、

となりのおうし座の2等星です。


ぎょしゃ座で一番明るい星は、1等星のカペラです。

黄色みを帯びたこの星は、1等星の中では一番北寄りに位置しており、

全天で21個ある1等星の中で6番目、

北天では4番目に明るく、よく目立ちます。


室蘭では夏の一時期カペラを観察できなくなりますが、

北緯44度よりも北の北海道北部では、

地平線に沈むことのない周極星として一年中見ることができます。


カペラはラテン語で『小さなメスやぎ』を意味し、

星座絵には小さなヤギを抱いた老人の姿が描かれています。


星図(掲載用)『ぎょしゃ座』


ぎょしゃ座の五角形の中にはたくさんの連星や星団があります。

実はカペラも連星で、19世紀から20世紀にかけて、

アメリカのリック天文台をはじめ、各国の天文台などが観測した結果、

今では2つの恒星からなる連星が、

2組ある『四重連星(しじゅうれんせい)』であると言われています。


カペラには、『すばる』の名で有名な、おうし座の

プレアデス星団とほぼ並んで見えるので、

日本には『スマルノアイテボシ』など、プレアデス星団と対比する

和名が各地に伝わっています。


道内には、後志地方の積丹町に、サキボシやウヅラノサキボシ

(ウヅラはプレアデス星団のこと)という呼び名が伝えられている

と『日本の星名辞典』(北尾浩一著・原書房2018年)で紹介しています。


御者(ぎょしゃ)とは、馬車の前部に乗って馬を操り、

馬車を走らせる人のことを言います。

年配の方なら知っていることですが、実際に馬車を見たことがない

子どもたちのために、室蘭市青少年科学館のプラネタリウムでは、

数年前からぎょしゃ座を紹介する際には

「御者とは・・・」と解説につけ加えています。



 ※室蘭民報 2020年11月15日掲載

 


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Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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