いぶりの☆星空散歩 2021年02月
fc2ブログ

半世紀を超えるプラネタリウム

室蘭市青少年科学館が3月末で閉館になります。

開館したのが1963年なので、半世紀を超え、

58年もの長きにわたり親しまれてきました。


148-1新旧ドーム110A9299

▲現在のプラネタリウム(手前)と新プラネタリウムのドーム型の屋根(左奥)


併設されているプラネタリウムは、座席数が100というのは、

現在では小規模の部類に入りますが、約6千個の恒星をはじめ、

太陽や月、惑星、天の川、流れ星などを表示し、

地球の自転や公転に伴う季節の星空の変化などが再現できるのは、

当時としては画期的な施設だったと思います。


設置後は順調に利用者が増え、1976年度(昭和51年度)は、

およそ8万7千人の利用があったと記録に残っています。

現在の室蘭市の人口を超える人数です。


その後札幌市など、道内の科学館に新鋭機種を投入した

プラネタリウムが設置されると、徐々に来館者が減ってきますが、

コロナ禍で臨時休館を余儀なくされた2019年度も、

5千人近い利用がありました。


人口減により、シャッターを下ろす商店が増え、

年々人通りが少なくなっている蘭西地区ですが、

プラネタリウムの鑑賞を目的に訪れてくれる方が多いのは、

担当者の一人としてうれしい限りです。


148-2プラネタリウム春の星座_E9A2354

▲現在使用中の投影機 五藤光学社製GX-10-T


メインの投影機と客席は1976年に更新し、

その後パソコンやプロジェクターを投入し、

プログラムは自作にこだわるなど、施設は古いながら、

今でも投影に工夫をこらしています。


最近は、閉館を惜しんで道内各地から訪れる方が多く、

「子どものころによく来ていました」と懐かしそうにドームを見上げます。

また、1月にプラネタリウムの操作体験を募集すると応募が殺到したため、

3月に再度行うことになりました。


新館は12月に開館する予定で、プラネタリウムも新設されます。

今月末の閉館までに現プラネタリウムを見ておくと、

9カ月ほどの間に新旧両方のプラネタリウムの鑑賞、

という貴重な体験ができます。


今月は、見ごろが終わる冬の星座と、しし座やかに座など、

春の星座を紹介しています。

閉館まで残り1カ月を切りました。

半世紀以上前に建てられた歴史あるプラネタリウムに

どうぞお越しください。

 

 ※室蘭民報 2021年3月7日掲載

スポンサーサイト



うさぎ座

立春が過ぎて、暦の上では春になっていますが、

夜空は冬の星座が見ごろを迎えています。


冬の星座でよく知られているのがオリオン座です。

『三つ星』と呼ばれる3つの2等星がほぼ等間隔で並び、

その3つ星を囲むように、2つの1等星と2つの2等星が

四角形を作っており、この整った星の並びは、

冬の夜空でとても目立ちます。


147-うさぎ座_E9A0200

オリオン座とうさぎ座(撮影:20141215日午後855分 登別市札内町)


今回紹介するうさぎ座は、そのオリオン座の

すぐ南側にある小さな星の並びです。

一番明るい星は3等星と、オリオン座に比べると地味な印象ですが、

図のように線で結んでみると、うさぎが右側を向いて

座っているような姿に見えてきます。


こいぬ座やおおいぬ座よりも先に昇り、先に沈んでいくので

「犬に追いかけられているうさぎ」や「狩人・オリオンに踏まれているうさぎ」

などと表現されることもあるようです。


うさぎ座に関する神話はないとされていますが、

紀元前3世紀ごろの天文詩に載っているという説があり、

プトレマイオスが定めた48星座の一つに数えられる歴史ある星座です。


うさぎ座を代表するα星は3等星のアルネブです。

アラビア語で『うさぎ』を意味し、うさぎ座で一番目立つ星です。


星図(掲載用・うさぎ座)


うさぎ座には『うさぎ座R星』という、

天文ファンに注目されている星があります。

濃い赤い色をしていて、平均すると約430日の周期で

およそ6等から11等まで明るさを変えるミラ型変光星で、

肉眼ではなかなか見つけにくい星です。


この星を発見した19世紀のイギリスの天文学者・

ジョン・ハインドにちなんで

『ハインドのクリムゾン・スター(深紅の星)』と呼ばれています。


この画像は24ミリの広角レンズで撮影していますが、

パソコンの画面で拡大すると、このクリムゾン・スターが確認できます。

ちょうど明るい時期だったのかもしれません。

新聞の印刷では見にくいと思いますが、

深紅の星と呼ばれるだけあって、

オリオン座の1等星・ベテルギウスよりも濃い赤色をしています。


ある天文雑誌は、今月のクリムゾン・スターは、6~7等の明るさで、

3月以降少しずつ暗くなっていくと予想しているので、

双眼鏡や望遠鏡をお持ちの方はぜひ探してみてください。

2月中旬のうさぎ座は、午後8時ごろ南の空に見えています。


 ※室蘭民報 2021年2月14日掲載

 



プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

最新記事
カテゴリ
カレンダー&アーカイブ(Tree)
01 | 2021/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 - - - - - -

+ アーカイブ
 
シンプルアーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR