いぶりの☆星空散歩 2021年06月
fc2ブログ

七夕の星と夏の大三角

151 七夕の星と夏の大三角110A2538

 ▲カムイヌプリ上空に昇る夏の大三角(撮影:20216132045分 室蘭市香川町)



今週の水曜日、7月7日は七夕です。

室蘭市青少年科学館があったころは、

七夕が近づくと、子どもたちに願いごとなどを書いた

短冊を笹の葉に飾ってもらい、

プラネタリウムでは、七夕にまつわる動画を投影するなど、

皆さんに七夕の雰囲気を味わってもらっていました。

七夕は、天の川の両岸で向かい合っている彦星と

織姫星の男女の星が、1年に一度だけ会える日、

とされています。

 

彦星は、わし座の1等星・アルタイル。

アルタイルは、アラビア語で『飛ぶワシ』という意味で、

両わきの3等星と4等星を一直線に結んで、

翼を広げて飛ぶ鷲をイメージして名付けられたようです。


織姫星は、こと座の1等星・ベガ。

北半球で見える1等星の中で3番目に明るい星です。

アラビア語で『落ちるワシ』という意味で、

まわりの星と結んだ星の並びを、

翼をたたんで下降するワシの姿をイメージしたようです。


このアラビア語の名前からわかるように、

今から数千年前の古代バビロニアでも、

ベガとアルタイルを一対の星と見ていたようです。


彦星と織姫星をへだてて流れる天の川には、

5つの星が大きな十字形に並んでいます。

昔の人々は白鳥が翼を広げて飛んでいる姿を

想像していたようで、はくちょう座と名付けられています。

十字の頭の位置に輝いているのは1等星のデネブ。

アラビア語で『尾』の意味をもつデネブは、

白鳥のしっぽに位置します。


星図(掲載用)七夕の星と夏の大三角


これら3つの星を結んでできる三角形は

『夏の大三角』と呼ばれています。

小学4年生の教科書に載っていて、

子どもたちが最初に学ぶ夜空の目印です。


さて、七夕の時期は、天気の悪い日が多いような気がしますが、

今年はどうでしょう?本州はちょうど梅雨の時期で、

室蘭も曇りや霧の日が多いですね。


もともと七夕は、日本で古くから行われていた行事と、
平安時代に中国から伝わった七夕伝説が結びついた、
と言われています。
江戸時代には五節句の一つ『七夕(しちせき)の節句』
と定められ、当時使われていた旧暦と呼ばれる
太陰太陽暦の7月7日に、星祭などが行われていました。

明治以降、節句は新暦で行われるようになってしまいましたが、
このところ国立天文台などが中心となり、
かつての七夕の日を星空に親しむ機会にしようと、
旧暦の7月7日に『伝統的七夕の日』として広報していて、
全国の天文台などで星空の観望会などが行われています。

このころになると梅雨も明け、晴天の日が多くなります。
ちなみに今年の伝統的七夕の日は8月14日です。
その夜、星空の観察をさまたげる月は午後10時前に沈みます。
おまけに数年ぶりに観察しやすいと予想される、
『ペルセウス座流星群』の極大の翌日にあたるので、
七夕の星だけでなく、いくつかの流れ星も見られそうです。

 

 
 ※室蘭民報 2021年7月4日掲載

 

スポンサーサイト



プロフィール

kamokenyamafc

Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

最新記事
カテゴリ
カレンダー&アーカイブ(Tree)
05 | 2021/06 | 07
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

+ アーカイブ
 
シンプルアーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR