惑星を観察しよう
カレンダーは9月に変わりました。
このところ、日の暮れるのが早くなっています。
今日・5日の室蘭の日の入りは、午後6時4分です。
23日の秋分の日を過ぎると、昼よりも夜の時間の方が、
少しずつ長くなっていきます。
▲
宵の明星・金星(撮影:2021年8月19日午後7時10分伊達市南黄金町)
日が沈んだ西の空に明るい星が見えます。
『宵の明星』とも呼ばれる金星です。
この金星が今の時期の一番星です。
およそマイナス4等の明るさで輝き、
これは1等星の約100倍の明るさなので、
この写真のように、日没直後の薄明の空でも、
すぐに見つけることができます。
この金星は、年の暮れまで夕空で観察できます。
その金星のそばに、まもなく水星が見えるかもしれません。
水星は、太陽系の惑星の中で一番太陽に近いため、
観察しにくい惑星です。
「水星は見たことがない」と言う方が多くいますが、
その水星が14日に『東方最大離角』となります。
東方最大離角とは、地球から見て
水星が太陽からもっとも東側に見えることで、
その前後1週間は、夕方の西の空で見やすくなります。
ただし、春の東方最大離角に比べ、
秋は高度が低いので、西の空を広く見渡せる
場所でなければ、見えにくいかもしれません。
興味のある方は、目印となる金星に向かって右下(西側)の
地平線付近をさがしてみてください。
9日と10日には、金星のそばに細い月が見えるので、
とても美しい夕景になりそうです。
▲木星と土星(撮影:2021年8月12日午前0時40分室蘭市東町)
さて、視線を南東方向へ動かしてみると
2つの明るい星が見えます。
木星と土星です。
木星は、太陽系惑星の中で一番大きく、
その直径は約14万km。望遠鏡を使うとしま模様が見えます。
マイナス2.9等の明るさで輝く木星は、
ほぼ一晩中見えており、『真夜中の明星』とも呼ばれます。
木星に向かって右(西側)には土星が見えます。
木星よりもやや暗く、明るさはおよそ0.3等。
土星は、木星の次に大きな惑星で、直径は約12万km。
地球からの距離は、木星よりも2倍以上離れています。
表面が分厚いガスでおおわれ、環があるのが特徴です。
望遠鏡を使うとその神秘的な環を見ることができます。
木星も土星も秋の星座のやぎ座付近で輝いています。
秋の星座は暗い星が多く、
1等星は、みなみのうお座のフォーマルハウトだけです。
夏や冬に比べ、秋の夜空は暗く、さびしい感じがしますが、
今年は木星と土星が輝いているので、
いつもの秋とは違った印象になりそうです。
※室蘭民報 2021年9月5日掲載
スポンサーサイト
ペルセウス座流星群 2021
皆さんは流星を見たことがありますか?
夜空にスーッと流れるように見える流星は、
『流れ星』とも呼ばれますが、
いつも見えている星が飛んでいるわけではありません。
流星は、宇宙空間にただよう小さなチリが、
高速で地球の大気に飛び込んできたときに、
大気との摩擦によって発光する現象です。
▲ペルセウス座流星群の流星(撮影:2020年8月12日午後10時45分伊達市南黄金町)
一晩に少なくとも2~3個は見られると言われています。
しかし、広い空のどこから流れてくるのか、
そして、何時ごろに現れるのかがわからなければ、
ずっと夜空を見上げていなければならず、
これはなかなかつらいものがあります。
ところが今週は、たくさんの流星が
見られるチャンスがやってきます。
それはペルセウス座流星群の活動が極大を迎えるからです。
主な流星群は、およそ20ありますが、その中でも毎年安定して、
たくさんの流星が見られる3つの流星群は、
特に『三大流星群』と呼ばれ、
ペルセウス座流星群もその一つです。
流星が飛び出す中心となる点を『放射点』、
そして一般的に放射点付近にある星座の名前をとって
『○○座流星群』と呼ばれます。
さらにその流星群の活動期間中、
もっとも多く流星が出現することを『極大(きょくだい)』と言います。
ペルセウス座流星群は、7月17日ごろから
8月24日ごろまで、長い期間活動を続けます。
特に8月7日から15日ごろにかけて活発になり、
毎年8月13日前後に極大を迎えます。
極大は日中になる年もありますが、今年は、
夜が明ける少し前の13日午前4時ごろです。
流星群の流星は、極大が近づくにつれ、
たくさん現れてくるので、今年のペルセウス座流星群の
極大時間は理想的です。
おまけに、流星観察の妨げとなるのが月明かりですが、
室蘭は午後9時ごろに月が沈むので、
その後空は暗くなります。
ペルセウス座流星群をこれほど良い条件で観察できるのは、
2013年以来8年ぶりのことです。
では今年のペルセウス座流星群は、
いつごろ観察するといいのでしょう?
おすすめは、8月12日の午後10時以降です。
極大に向けて、流星がだんだんと増えていくのを
実感できるかもしれません。
特に日付が13日に変わる夜半過ぎから夜明けにかけては、
放射点のあるペルセウス座が空高く昇るので、
四方八方に流れる流星を観察できます。
国立天文台は、天の川を見ることができる暗い場所なら、
1時間あたり約50個の流星が見られると予想しています。
夏は曇りの日が多い室蘭ですが、
たとえ12日の夜が曇ったとしても、その前後の11日や
13日の夜も、普段よりたくさんの流星が見られるので、
晴れていたら夏の夜空を見上げてみましょう。
※室蘭民報 2021年8月8日掲載予定