いぶりの☆星空散歩 2021年12月
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新しいプラネタリウム

DENZAI環境科学館がこのほど完成し、
12月25日に開館します。
今回は、最新式の投影システムを導入した
新プラネタリウムについて紹介します。

159-2投影機110A7583
光学式とデジタル式の投影機

プラネタリウムの心臓部とも言える投影機は、
㈱五藤光学研究所製の光学式プラネタリウム『オルフェウス』と
全天周デジタル映像システム
『バーチャリウムX』を導入しました。

オルフェウスは6.5等までの約9,500個の恒星を
映し出すことができ、天の川を約800万個の恒星で
再現しているほか、56の星雲や星団も投影できます。

投影機の大きさは、旧科学館のプラネタリウム
(以下『旧館』)で使われていた約半分で、
視界を妨げにくい形状です。

一方、バーチャリウムXは、高精細な
ビデオプロジェクター2台を使い、
直径12mのドーム全天に星空や宇宙映像などを
投映するシステムで、恒星の固有運動を
プラス・マイナス100万年の範囲で操作できるほか、
はるか遠い宇宙の果てまで、自由に宇宙空間を
移動する感覚を味わえる機能が備わっています。

この2方式を導入することにより緻密で美しい星空を再現でき、
室蘭上空の四季折々の星空をはじめ、
宇宙空間に移動してそこから見える星空を再現できるなど、
さまざまな番組を投影できるようになりました。

159-1星座絵と天の川110A7528
▲ドームに映し出される星や天の川


また、月の満ち欠けや太陽系惑星の動きなどを解説する
動画を使うなど、天文学習のお手伝いも可能です。

かつての旧館は断熱材のない時代に建てられたので、
特に厳寒期はドーム内が冷え切って、
開館前から暖房を入れていても、午前の投映のお客さんには、
寒い思いをさせていたこともありましたが、
新しいプラネタリウムでは寒暖を気にすることなく、
快適に鑑賞できるようになりました。

159-3操作盤110A7575
▲投影操作盤と室内

旧館でプラネタリウムを見るには、
入館料とプラネタリウムの入場料の両方が必要でしたが、
新館は展示室を通らずに入場できるため、
プラネタリウムだけをご覧になる方は、
展示室の入場料は不要です。

ちなみにプラネタリウムの入場料は、
一般400円、高齢者250円、高校生200円、中学生以下100円です。
また、それぞれに年間パスポートの設定もあります。


青少年科学館時代のプラネタリウムと比べ、

投影機器も機能も格段に進化した新しいプラネタリウムを

ぜひご体験ください。

 

※室蘭民報 2021年12月19日掲載
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ふたご座流星群2021

皆さんは『三大流星群』を知っていますか?
おもな流星群は20ほどありますが、
1月の『しぶんぎ座流星群』、8月の『ペルセウス座流星群』、
そして12月の『ふたご座流星群』の3つの流星群が、
毎年安定してたくさんの流星を見られることから、
特に『三大流星群』と呼ばれています。


158 ふたご座流星群2021_E9A9986

▲ふたご座流星群の流星(撮影:20151214日午前18分 登別市札内町)


その三大流星群の中で、もっとも多く流星を見られるのが、

まもなく見頃を迎えるふたご座流星群です。


流星群の活動がもっとも活発になることを

『極大』といいますが、今年のふたご座流星群の極大は、

12月14日の午後4時ごろと予想されています


では、そのふたご座流星群の観察に適した時間帯はいつでしょう?

国立天文台は、12月13日と14日の夜から明け方を勧めています。

両日とも午後8時ごろから流星が現れ始め、

10時頃から数が増え出し、そして夜半を過ぎると

さらに多くの流星が見られそうです。


あいにく両夜とも、上弦過ぎの月明かりの影響を受けるので、

月が出ている時間帯は、月を視野に入れないように観察しましょう。


室蘭の月の入りは、14日が午前1時52分、
15日が2時54分です。
月が沈んでから薄明が始まるまでの時間帯には、
1時間に50個以上の流星が見られるでしょう。
また、ある天文雑誌は、空が暗く観察条件が良ければ、
100個を超える流星が見られるかもしれないと予想しています。

月没時間と月明かりの影響を考えると、
13日の深夜から14日の夜明け前の方が
やや条件が良いかもしれません。



星図ブログ用放射点(ふたご座流星群)


さて、流星群は空のどの方角を見るのが良いのでしょう。
流星群の流星は、『放射点』といわれる一点を中心に
放射状に出現します。
放射点があるふたご座は、日没とともに北東の空に
昇ってきますが、放射点が空高く昇る真夜中ごろには
流星が四方八方に飛び散るように流れるので、
放射点の方向よりも、空全体を眺めるほうが
多くの流星を見つけられるでしょう。

写真のように、ふたご座流星群は、
『火球』と呼ばれる明るい流星が多く見られます。
防寒対策を万全にして、師走の流星群をお楽しみください。

 

 

 ※室蘭民報 2021年12月12日掲載
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Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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