いぶりの☆星空散歩 2022年01月
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一番星・木星

日が沈んで最初に見える明るい星は
『一番星(いちばんぼし)』と呼ばれています。

この一番星は、金星を指すことが多いようです。
金星は、昨年の初夏から今年の正月ごろまで、
半年以上も西の空に『宵の明星』として輝いていました。

その金星は、1月9日に内合
ないごう 地球・内惑星・太陽の順に一直線に並ぶこと)となり、
それ以後は日の出前の東の空に移っています。

今年の金星は明けの明星として輝き、
夕方の西の空で見られるようになるのは、
10月21日の外合
がいごう 地球・太陽・内惑星の順に一直線に並ぶこと)を過ぎて
しばらくした12月になると予想されています。

160-一番星・木星110A8282
▲イタンキ浜付近の上空に見える木星と土星(撮影:202217日午後550分 室蘭市東町)

では今の時期の一番星はなんでしょう?
それは金星と同じ太陽系の惑星・木星です。

マイナス2等級を超える明るさで輝く木星は、
日没後の南西の空で簡単に見つけることができます。
2月3日には、その木星に月齢3の細い月が接近して見え、
美しい光景になりそうです。

その木星は2月になると少しずつ高度を下げ、
3月5日に合(ごう 地球~太陽~惑星の順に一直線に並ぶ)となり、
それ以後は日の出前の東の空に移りますが、
合の前後は見かけ上太陽に近く、観察はむずかしいでしょう。

4月下旬になると木星の高度が上がり、
夜明け前の東の空に見えるようになります。

1月7日に撮影したこの画像には、
木星の右下に土星が写っています。
美しい環を持つことで有名な土星は、
2月5日に合を迎えます。
その後、日の出前の東の空でしっかり観察できる
ようになるのは、3月下旬になりそうです。

星図(掲載用)『一等星・木星』


紹介したとおり、これまで日没後の西の空で輝いていた惑星は、
順次日の出前の東の空に移っています。
4月から6月にかけ、明け方の東の空には
水星・金星・火星・木星・土星が集合するので
目を引くことでしょう。


中でも、4月18日には日の出前の東の空で、
木星・金星・火星・土星が斜めにほぼ同間隔で、
一直線に並ぶめずらしい光景が見られそうです。
公転する速度がそれぞれ違う惑星が、
このように見えるのはとてもめずらしい現象です。

さて、木星が見えにくくなったあとの
一番星はどの星になるのでしょう?

4月下旬ごろまでは、恒星の中で一番明るい
おおいぬ座の1等星・シリウスに、
5月になるとうしかい座の1等星・
アークトゥルスになりそうです。



 ※室蘭民報 2022年1月23日掲載

 

 


 

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