春分
明日は春分の日です。
『彼岸の中日』とも言われるこの日は、
毎年祖母がぼたもちを作ってくれる楽しみな日でした。
二人の祖母それぞれに独特の味わいがありました。
それはさておき、今回はこの『春分』に
ついて考えてみます。
「春分の日は、太陽が『春分点』を通過する瞬間を含む日」と
されていますが、この春分点について、
図を交えながら紹介します。
地球は、太陽の周りを1年かけて1周していますが、
地球から見える太陽は、星座をつくる星々の間を
動いて行くように見えます。
この太陽の見かけの通り道のことを
『黄道(こうどう)』と呼んでいます。
一方、図のとおり地球の赤道を天球上に延長したものを
『天の赤道』、北極と南極を延長した点を、
それぞれ『天の北極』、『天の南極』と表現しています。
黄道と天の赤道はお互いに傾いており、およそ23.4度の
角度で交差していて、2点で交わります。
この2点のうち、太陽が南側から北側に通過する点を春分点、
北側から南側に通過する点を『秋分点』と呼び、
太陽がちょうど春分点を通過する瞬間を、二十四節気のひとつ『春分』としています。そして、『春分』を含む日のことを『春分の日』と定められ、
今年は3月21日です。
『秋分』や『秋分の日』も同じように決まります。
ところで春分の日は、太陽が真東から昇って真西に沈むため、
昼と夜の長さがほぼ同じになると言われています。
明日の室蘭の日の出は午前5時39分、
明日の室蘭の日の出は午前5時39分、
日の入りは午後5時49分。
昼が少し長いようですが、このずれは、日の出・日の入りが、
『太陽の上辺が地平線(または水平線)に
一致する時刻』と定義されているからです。
言い換えると、日の出は太陽が地平線から頭を出し始めた瞬間、
日の入りは、太陽が地平線に沈みきって見えなくなった瞬間
ということで、これが日の出と日の入りの時間差となります。
▲宵の西の空に沈む冬の星座。このころになると北海道にも遅い春が訪れます。(撮影:2019年4月12日20:00洞爺湖町香川)
『暑さ寒さも彼岸まで』という言い伝えがあります。
これはこの時期、桜の開花が始まる西日本あたりに
当てはまりそうですが、北海道の3月はまだまだ寒く、
4月に行われる小中学校の入学式のころに
雪が降ることもあります。
北海道に本格的な春が訪れるのは、この写真のように、
冬の星座の星々が、日が暮れて間もない
西の空に沈むころになりそうです。
※室蘭民報 2022年3月20日掲載
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