いぶりの☆星空散歩 2022年07月
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ペルセウス座流星群 2022

今年も夏の風物詩『ペルセウス座流星群』の
見頃の時期が近づいてきました。
このペルセウス座流星群は、1月のしぶんぎ座流星群や
12月のふたご座流星群とともに三大流星群に数えられ、
毎年たくさんの流星が現れます。


168ペルセウス座流星群2022110A5115
ペルセウス座流星群の火球クラスの流星
(撮影: 2020812日午後1059分伊達市南黄金町)

1月や12月の真冬の流星群は、寒さに耐えながらの
観察になることが多く、まるで厳しい『寒修行』のようで、
なかなか流星観察の風情を感じることはできません。

一方ペルセウス座流星群は、夏休みの時期にあたり、
流星がたくさん現れる深夜には、
日中の暑さも収まり、涼みながらの観察となるので、
私は、夏の風物詩とも言えるこの流星群を
毎年楽しみにしています。

夜空をスーッと流れるように見える流星は、
『流れ星』とも呼ばれますが、
いつも見えている星が飛んでいるわけではありません。
流星は、宇宙空間にただよう小さなチリが、
高速で地球の大気に飛び込んできたときに、
大気との摩擦によって発光する現象です。

流星が飛び出す中心となる点を『放射点(ほうしゃてん)』、
そして一般的に放射点付近にある星座の名前を
とって『○○座流星群』と呼ばれます。
さらにその流星群の活動期間中、もっとも多く
流星が出現することを『極大(きょくだい)』と言います。

ペルセウス座流星群は、例年7月17日ごろから
8月24日ごろまで、長い期間活動を続けます。
特に8月7日から15日ごろにかけて活発になり、
今年は8月13日に極大を迎えます。


星図(ブログ用)ペルセウス座流星群


では今年のペルセウス座流星群は、
いつごろ観察するといいのでしょう?
国立天文台は11日から13日までの3夜は、
普段よりも目立って多くの流星が見られ、
特に12日の夜はもっとも多く、空の暗いところなら
1時間あたり30個前後の流星が見られると予想しています。

いずれの夜も、21時頃から流星が出現し始め、
夜半を過ぎて薄明に近づくにつれて流星の数が多くなり、
四方八方に流れる流星を見ることができるでしょう。

ただ残念ながら、今年は12日に満月を迎える
月明かりがあるので、なるべく視野に月を入れないように
観察すると良いと思います。

ペルセウス座流星群は、この画像のように、
しばしば火球クラスの明るい流星痕(りゅうせいこん)を残す流星が
現れますので期待して観察してみてください。

なお、この流星群は、昨年、極大の1日半後に、
例年の極大の2倍を超える予想外の活発な活動が見られ、
天文雑誌などで話題になりました。
今年も同じような現象が現れるとすると、
14日の深夜23時台に該当します。
国立天文台は、同じような現象が起きる確率は高くはないが、
活動期間中は注目してほしい、とコメントしています。

 ※室蘭民報 2022年8月7日掲載

 



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さそり座

夏休みが始まるころになると、

夏を代表する星座・さそり座が見つけやすくなります。

さそり座は、夏の南の空でアルファベットの

S字型のカーブを描くように並び、

下半分が天の川にかかるように見える星座です。

この画像では、さそりのしっぽのあたりが、

惜しくも室蘭の市街地を覆う霧の中に隠れています。


167さそり座110A2784

さそり座と天の川(撮影:2021年6月28日20時52分、室蘭市香川町) 


有毒生物として知られるサソリは、

しっぽの先に毒針を持っていますが、

神話のさそり座は、傲慢なふるまいのオリオンを

こらしめるために、天の神々が放った毒サソリで、

オリオンを成敗した功績をたたえて、

天に上げられ星座になったと伝えられています。


これは、さそり座とオリオン座が、

見かけ上およそ180度離れており、

さそり座が昇ってくるころに、

オリオン座が逃げるように沈むため、

この天文現象をもとに星座神話がつくられたのではないか、

と言われています。


日本では、しっぽのカーブを

大きな釣り針に見立てていたようで、

『魚釣り星』や『鯛釣り星』などの

呼び名が残されています。


さそり座のα(アルファ)星は、赤く輝く1等星のアンタレス。

ギリシア語で『火星に対抗するもの』と

いう意味の赤色超巨星です。

アンタレスが赤く見えるのは、表面温度が

約3,500度と低いため、と言われています。

日本では古くから『赤星(あかぼし)』などと呼ばれていました。


星図(掲載用)さそり座ver


さそり座の頭の部分に輝く2等星は、

δ(デルタ)星のジュバです。

このジュバは、2.3等から1.6等の範囲で、

不規則かつ急激に明るさが変わる変光星です。

この変光が起きる原因について国立天文台は、

高速で回転するジュバから放出されたガスが、

しばしばこの星の赤道周囲に円盤のようなものを作ることで、

光度が変化するのではないか、と推定しています。

このジュバが1.6等まで明るくなると、

さそり座の印象もやや違って見えます。


さて、アンタレスとよく比べられる火星は、

2年2カ月の周期で地球に接近します。

今回は12月1日に最接近するため、

これから少しずつ観察しやすくなります。

7月から8月にかけては、夜半過ぎから

夜明け前の東の空で見つけることができます。


 ※室蘭民報 2022年7月17日掲載

 

 

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Author:kamokenyamafc
DENZAI環境科学館の天文ガイド

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