いぶりの☆星空散歩 2022年12月
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赤い星の三角形

冬の星座の三角形といえば、
オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、
そしてこいぬ座のプロキオン、
この三つの1等星を結んでできる『冬の大三角』。
小学校の教科書で紹介される有名な星の並びです。

ところが今の時期、この冬限定とも言える特別な三角形、
それも赤い星の三角形が見えています。

173-『赤い星の三角形(星座絵)』025A6902
1218日に見える赤い星の三角形をプラネタリウムでシミュレーションしてみました。


3つの赤い星のうち、一番明るく見えるのは
12月1日に地球に最接近した火星です。
火星が赤く見えるのは表面の岩石や砂が
酸化鉄(赤さび)を多く含んでいるためです。

2つ目の赤い星は、オリオン座の1等星・ベテルギウスです。
赤色超巨星と呼ばれるベテルギウスは、
太陽のおよそ500倍の大きさの年をとった不安定な星で、
いつ爆発してもおかしくないと言われています。

3つ目の赤い星は、おうし座の1等星・アルデバランです。
オリオン座の三つ星を斜め上にのばしていくと見つけやすく、
赤というよりはややオレンジ色に見えるかもしれません。

冬の大三角は、整った正三角形に近い形ですが、
今回紹介している赤い星の三角形は、
日々少しずつ形を変えて見えます。
特に火星とアルデバランは1月中旬にかけて近づき、
その後は少しずつ離れていきます。
それはなぜなのでしょう?


星図(掲載用)火星の順行と逆行(国立天文台)topics03-1-s


火星などの惑星は、太陽の周りを公転しているため、
星座の中での位置を変えていきます。
星座の中を惑星が西から東(図では右から左)へと
移動していくことを『順行』、
逆に東から西(同、左から右)へと移動していくことを
『逆行』と言います。

その現象が起きるのは、地球と火星の公転速度が違うためです。
逆行は、太陽系の中で、火星の内側を公転する地球が、
火星を追い抜くように移動する際に、地球から見える現象です。

順行から逆行、または逆行から順行へと移動方向が
変わるときには、惑星の移動が止まったように見えます。
この現象を『留』といいます。

2022年10月まで順行を続けていた火星は、
10月30日の留を境に逆行へと移動する方向が変わりました。
その後、12月1日の地球最接近をへて、
来年1月13日の留まで火星の逆行は続きます。

この現象について国立天文台は
「このように火星が順行から逆行、そして再び順行と
なって見えるのは、地球と火星が太陽の周りを
公転している証拠です」と解説しています。

赤い星の三角形。
今はいびつな二等辺三角形に見えますが、
火星が順行に変わる1月中旬以降は、
火星とアルデバランが少しずつはなれて行くので、
正三角形に近い形へと変わっていきます。

今年の冬は、火星の見える位置によって
惑星特有の動きがわかる、
とても良い機会になりそうです。

 ※室蘭民報 2022年12月17日掲載

 

 


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