水星を見つけよう
水星は、太陽系の惑星の中でもっとも太陽に近いため、
なかなか目にする機会がありません。
見えるときでも、日の出直前の明るくなり始めた東の空、
または、日の入り直後のまだ空に明るさが残る
西の空の低い位置に、わずか1時間程度という
短い時間しか姿を見せないからです。
▲噴火湾の上空に見える細い月と水星『⇒』(撮影: 2017年7月25日午後7時59分 伊達市南黄金)
水星は、地球よりも太陽に近い軌道を
回っているので『内惑星』と呼ばれます。
その水星は、3月16日に『東方最大離角』となり
観察の好機をむかえます。
東方最大離角とは、内惑星が見かけ上太陽の
もっとも東側に離れることを言います。
東方最大離角の前後5日ほど、3月11日から20日にかけては、
日の入り30分後の高度が10度を超え、
夕方の西の空で観察しやすくなります。
特に3月15日は、日没時の高度が17.5度と
今年最高になります。
水星の大きさは、地球の5分の2ほどしかなく、
太陽系で一番小さい惑星です。
水星には大気がほとんどないので、
風も吹かなければ雨も降らず、
昼間の温度は400℃以上になり、夜は熱がどんどん宇宙に逃げ、
マイナス160℃以下になると言われています。
古代ギリシアでは、日の出前、または日の入り直後に
見える水星をそれぞれ別の星と考え、
明け方に見える水星を『アポロン』、
夕方見える水星を『ヘルメス』と呼んでいたと伝えられています。
この水星のさがし方ですが、日の入り直後の西の空には
宵の明星・金星が輝いているので、この金星のやや右上で
控えめに光る水星をさがすといいでしょう。
また、3月19日には、水星と金星のすぐ左上に三日月が現れ、
とても美しい夕空になりそうです。
なお水星は、3月下旬になるとだんだん見えにくくなり、
月末には観察できなくなります。
☆室蘭民報 2018年3月11日掲載
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