夜明け前の4惑星
今年の6月下旬から7月にかけ、西の夕空で金星と木星が接近して見えましたが、
今月は明け方の東の空で、さらに多くの惑星の接近が楽しめそうです。
今月は明け方の東の空で、さらに多くの惑星の接近が楽しめそうです。
地球を含め8個ある太陽系の惑星のうち、肉眼で見ることのできる惑星は、
水星、金星、火星、木星、土星です。
その5個の惑星は、太陽の周りを公転する周期がそれぞれ違うため、
地球から同時に見える機会はなかなかありません。
ある調査では、6千年間でわずか86回しかありません。
※カムイヌプリ上空で輝く金星、木星と細い月(2015年6月20日19:43 登別市千歳町)
惑星で一番明るい金星は、今年の7月まで宵の明星として西の空に見えていましたが、
8月16日の内合(地球・内惑星・太陽の順に一直線に並ぶこと)をへて、
8月末頃から明けの明星として夜明け前の東の空に姿を現しています。
金星に次いで明るい木星も、8月は見かけの位置が太陽に近かったため、
見にくかったのですが、9月には夜明け前の東の低空に現れ、
その後徐々に高度を上げて観察しやすくなっています。
今月は、その金星と木星に加え、火星と水星も一緒に観察できそうです。
太陽に一番近く、日ごろ観察しにくい水星が、
10月16日に西方最大離角(太陽の一番西側に離れ、
このころ東の空で観察しやすくなる)を迎えるので、
この前後数日間は日の出前の東の低空に肉眼でも見ることができます。
また、惑星同士も徐々に接近し、10月18日には木星と火星が、26日には金星と木星が、
そして31日は金星と火星が大接近しているように見えます。
さらに今週末は、それらの惑星に新月前の細い月も加わります。
その月は、10月9日に金星の、翌10日には木星のそばに見えます。
惑星に加え、細い月の登場で、夜明け前の東の空は美しい光景になりそうです。
なお、国立天文台によると、5つの惑星が一堂に会する次の『惑星集合』は、
2040年の9月と予想されています。
※室蘭民報 2015年10月11日掲載
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